この記事の目次
まずは1年続けてみること
稼げるのはナイトだけど続けていくなら隔勤がおすすめ
インタビューさせていただいた石坂さんについて
乗務経験5年目の30代。1年目は東京無線系列のA社に就職。ナイト勤務。ナイトの頃は月100万円の売り上げがあったそうです。その後、B社に就職するも運行管理者と合わず退職。その後C社を経て合計5社のタクシー会社で働いた経験があり。月の売り上げは80万円以上をキープしているそうです。
編集部
「やっぱりナイト勤務のほうが稼げるからいいのでしょうか?」
石坂さん
「ナイト勤務は身体に負担もかかり、何より日常生活に影響がありますので、やはり続けていくなら隔勤(丸1日乗務し次の日は休み)を推奨致します。」
編集部
「そうなんですね。今日はタクシーで稼ぐためのポイントを教えていただけますか?」
石坂さん
「お住まいの地域によって稼ぎ方や営業のやり方など変わってきます。
基本的に午前中は品川区・目黒区・大田区といった東京西側のエリアが良いですね。所得が高い方も多くタクシーを日頃からよく使ってくれます。
それ以外の地域にお住まいの方は午前中は東京の中央(皇居付近)から営業してください。」
編集部
「なるほど~。そういう人の流れを知らないといけないですね。タクシー運転手を始めたばかりの新人さんにとって大事な仕事のポイントはありますか?」
新人ドライバーの営業のコツ
石坂さん
「タクシー会社の新人研修でよくある例ですが、お客様に行先をうかがった後に『ご指定のコースはございますか?』と言ってください。といった指導があります。
これは新人の方には向いていないと思います。指定コースが逆に分からないかもしれないのですよ。
地理不案内の方は積極的に自分のスマホのGoogleマップやナビを利用して『このルートでよろしいでしょうか?』と確認する方が簡単です。
またお客さんが言った行先が分からなくても『申し訳ございません。新人なので、お調べいたします』それでいいのです。むしろ行き先を設定したスマホの画面を見せた方がお客様も安心してくれます。1番ダメなのは知ったかぶりです。
私も『このルートで』と言われて分かりましたと答えたものの、途中で『あれ?』ってなったことは何度かあります。」
編集部
「覚えるの大変そうですよね。どうしたらいいのでしょうか?」
石坂さん
「すぐに覚えるのは無理ですよね。石の上にも三年といったことわざがありますが、まさにタクシーもその通りです。経験がものをいう業界です。
ですが、新人の方でも先輩の営業を見て盗めばそれなりに稼げます。」
編集部
「どうやって見て盗むんですか?」
石坂さん
「都心のみに使える方法ですがこっそり教えますね。本当はよろしくないのですが交通量の少ない時間はお客様を降車させたら、場所によりますが、そのまま空車で停まっていてください。
誰もいないところに付けても無意味ですからタクシーがよく付けてる交差点を積極的にリサーチしていくんです。
何故そこに付けているのか? それは乗ってくるからです。
無駄に走っても無意味です。 確かに流しはありですが疲れます。効率よく仕事ができるようになりましょう。」
編集部
「なるほど!」
タクシーで稼ぎやすいエリアを教えてもらった
石坂さん
「考えないといけないのは電車の経路です。
例えば国道246線を走っていれば田園都市線の用賀駅、池尻大橋駅、三軒茶屋駅まで行きたいというお客様は多くなります。
目黒通りを走っていれば東横線の駅までというお客様が多いです。こんな感じで道や駅を覚えていきましょう。最初のうちはそれだけでもそこそこ稼げます。」
編集部
「なるほど~。稼げるエリアってあるのでしょうか?」
石坂さん
「あると言えばあるのですが、ドライバー毎に得意不得意もありますので、自分の得意なエリアを見つけるほうが先でしょうかね。
あと、基本的に昼間は暇な事が多いので深夜に備えて休憩を取りましょう。深夜はやはり新橋、六本木、新宿、渋谷、銀座といった都会で営業しましょう。
とくに深夜での流しは無意味なのでお客様がいたらラッキーくらいの感覚で大丈夫です。なので基本的に深夜は付け待ちオンリーです。タクシー乗り場もよいですが並ぶのが嫌な方は交差点のきわに付けましょう。 深夜は警察官も黙認してくれます。」
これからタクシー運転手になろうと思っている人が知るべきこと
編集部
「未経験からタクシー運転手になる場合、続けていくために何が重要ですか?」
石坂さん
「最初の1年が大事です。ここで半分近くの人が辞めていきますから。よくタクシーを使ってくれるエリア(千代田区・港区・中央区・品川区・渋谷区・新宿区・目黒区等)の会社に勤めるのがベストです。
また、ご存知だと思いますが二種免許取得は全額その会社が負担します。タクシーはなくてはならないものです。」
編集部
「これからのタクシー業界はどうなると思いますか?」
石坂さん
「日本のタクシー業界はハードルが高く、Uberも参入しきれませんでした。まだまだタクシー運転手として稼ぐチャンスはあります。」
タクシー運転手の年収について聞いてみた
編集部
「 タクシー運転手でトップレベルの人はどれぐらい稼いでいるのでしょうか?」
石坂さん
「トップレベルであればナイト勤務で月収100万円ですね。 ただ、これに関しては顧客がいる場合の方のみです。
昼勤で月40万円、隔勤で月50万円ならまぁまぁの成績といったところでしょうか。」
用語の説明
- 昼勤…朝から夕方まで(会社によって多少前後しますのでこのように記載します)
- 隔勤…朝から次の日の朝まで(これも会社によって前後します) 基本的に2日分の仕事を1日でこなす。といった形です。
- 顧客がいる場合…名刺など渡しお客様と直接コンタクトを取り自分のタクシーを使って頂くこと
編集部
「トップの営業成績に達するためには何年ぐらいの経験が必要なのでしょうか?」
石坂さん
「年数は経験がものを言う業界ですが、 地理はもちろん、何よりお客様に気に入って頂かなければなりません。客商売なので。
運転技術もそうですが、車内が清潔、身だしなみなども当然必須ですよね。 基本的に最初の1年が勝負です。その1年の売上が良い方はその後も伸びていくことは多いと思います。」
編集部
「一般的な東京のタクシー運転手は年収いくらぐらい稼いでいるのでしょうか?」
石坂さん
「このご質問に関しては人によって異なりますので、あまり一般的な例というのが説明しにくいですね。 30代男性の平均年収は450万円くらいでしょうか。
都内のタクシー乗務員であればこれぐらいの年収は1年目からでも、やる気さえあれば可能です。
本当にバラツキがあるのでなんとも言えませんが、ヤル気と体力がある方であれば1年目で500万円以上の年収を稼ぐことは可能です。」
編集部
「東京でタクシー営業やっているのにいつまで経っても逆に稼げない人はどんな人ですか?」
石坂さん
「これはもう本人次第としか言いようがないですね。
大前提ですが、事故違反、タクシーセンターからの指導といったペナルティーがないこと。駅で付け待ちしかしないとか、同じ場所でしか営業しない人はあまり稼げないでしょう。
せっかく23区武三エリア(23区+武蔵野市+三鷹市)で営業できるのですから、積極的にドンドン営業しないと稼げませんから、平均以下という事になります。」
会社選びは重要!会社によって報酬体系は違う
編集部
「 石坂さんはいろんなタクシー会社の勤務経験がありますが、会社によって報酬体系は違うのでしょうか?どのような報酬体系が一般的ですか?」
石坂さん
「会社によって異なります。
1番最悪なのは足切りがある会社。 例えば月の売上が税抜き50万円いかなかったら歩合率15%ダウンとか。
売上によって歩合率が前後する会社がほとんどですが、これは事故や違反などのリスクに直結します。
例えばあと1000円やれば数%歩合率が上がるなど。年収を上げやすいという面で私の個人的なおススメは歩合率一律60%の会社ですね。その方がのんびりとやれますし基本的に自由度が高い会社が多いです。」
編集部
「ありがとうございます。タクシー運転手年収500万円以上の方の割合ってご存知でしょうか?石坂さんの感覚でも構いませんので教えていただけますか?」
石坂さん
「タクシー会社に勤める場合であれば500万円といった年収は正直頑張らないと無理です。
隔勤で毎日の売上(税抜)が6万円。
×12勤務×12ヶ月で歩合率60%で計算しますと年収518万円になります。 この年収をキープし続けている方は実際にいますが、やはり20〜30%位ではないでしょうか。」
タクシー運転手で稼ぐためのまとめ
編集部
「しつこくてすいません。平均以上に稼ぐための秘訣は何なのか?具体的にお願いします。」
石坂さん
「今まで回答してきた通りになりますが、なんか特別な魔法みたいなことってないんですよ。
- 本人のやる気は勿論、無事故無違反、タクシーセンターからの指導がない。
- 体調管理
- 地理に精通している。(スマホでGoogleマップを積極的に使う事を推進します)
- お客様がよくタクシーを捕まえる場所を数個頭の中に入れておく。
- 深夜にロングのお客様が乗る場所も把握しておく
なぜ深夜にタクシーが行列作っているか知っていますか?一概には言えませんが、それはロング(長距離利用)が出やすい場所だからです。
基本的に中(皇居寄り)で営業しましょう。東西南北などは方位磁針のように常に頭の中に入れておくのは基本です。
いつどこでどんなお客様が乗ってきても対応できるように心掛けて営業しましょう。」
編集部
「ありがとうございます。なんでも仕事って基本を守ることが大事なんですね。」