タクシー運転手になるためには、「普通二種免許」が必要です。

さらに、東京都神奈川県大阪府の指定地域でタクシー運転手を目指している方は、「地理試験」に合格する必要があり、合格できなければタクシー運転手として働くことができません。

難易度は高いですが、しっかり対策ができれば地方出身の受験者でも合格することは可能です。

そんな地理試験とは、一体どのようなものか、どんな試験対策が必要なのかについてご紹介します。

そもそも地理試験とは?

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地理試験の正式名称は,「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」です。
東京特定地域(23区、武蔵野市及び三鷹市)、神奈川県横浜地区(横浜市、川崎市、横須賀市及び三浦市)、大阪府でタクシー運転手になるために受ける試験です。

どの地域も科目は2科目で、
「タクシー事業に係る法令、安全および接遇」「地理」に分かれており、どちらも正答率が80%以上で合格です。

どちらか一方のみ合格した場合、次の受験では、合格した科目は免除となります。しかし、有効期限は2年間のため、2年以内にもう一方を合格できなければ再度どちらの試験も受けることになります。

この試験は個人でも受けることができますが、難易度も高いため入社後の研修に取り入れ、合格へのサポートをしてくれる会社もあります。
そのようなサポートがあると嬉しいですよね。
自分が転職を考えているタクシー会社にそのような研修制度があるのかどうか、事前に確認してみるといいかもしれません。

地理試験の学習は暗記する内容が多く、暗記が苦手な人にとっては大変かもしれません。しかし、人口や複雑な道路の多い3つの地域だからこそ必要な知識で、タクシー運転手として働く際に必ず役立つ内容となっており、ゆくゆくは収入アップにも繋がるはずなので前向きな気持ちで学習に取り組みましょう。

地理試験の受験価格

受験価格は、東京、大阪、神奈川ともに1各科目3400円で合計6800円です。

地理試験の詳しい内容とは?

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地理試験の内容を少し詳しく説明します。地域によって問題の内容は変わると思うので、一つの参考にしていただければと思います。

地理試験の内容

地理試験は、「法令」「安全」「接遇」「地理」の4つの内容です。

地理の科目の出題は、道路および地名、著名な建造物、公園、名所、旧跡、鉄道の駅の所在やそれらの関連性などを答える問題となっています。

大阪府の地理の試験は3ブロックに分かれているため、自分の会社の営業区域を確認しておく必要があります。

地理試験の問題の一例

地理試験では以下のような問題が出題されます。
これは、東京都の地理の問題例です。

例題1
次の施設等を別紙の施設関連図の中から探し、その番号を回答用紙に記入しなさい。
【施設等】
⑴哲学堂公園
⑵中野サンプラザ
⑶立教大学
⑷東京オペラシティ
⑸都道府県会館
⑹イギリス大使館
⑺東京厚生年金病院
⑻伝通院
⑼野方警察署
⑽トッパンホール
例題2
次の『乗車地』から『降車地』までの、最短経路で経由する交差点名を下記解答群の中から順番に選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。
乗車地:駒沢オリンピック公園→⑴→⑵→五本木→⑶→⑷→⑸→降車地:日比谷線恵比寿駅【解答群(交差点名)】
ア.祐天寺二丁目
イ.鎗ヶ崎
ウ.柿の木坂
エ.都立大駅前
オ.祐天寺前
カ.碑文谷
キ.東京医療センター前

 

例題2はよく出る問題の形式ですが、応用問題で難易度が高いです。暗記していれば解ける問題を優先的に勉強し、確実に点を取れるようにするなど学習の優先順位をつけて行きましょう。

 

地理試験の合格基準

地理試験の合格基準は3つの地域で概ね共通です。
タクシー事業に係る法令、安全及び接遇の科目についての出題は筆記試験により45問出題され、合格基準は36問以上の正解(正答率80%)となっています。
地理の科目についての出題は筆記試験により40問出題され、合格基準は32問以上の正解(正答率80%)となっています。

地理試験の対策

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参考書と問題集を繰り返す

地理試験の参考書や問題集は、社内研修で配布される場合もありますし、各タクシーセンターで販売もされています。繰り返し解いて、問題の傾向に慣れていきましょう。

また、暗記する内容も多いため、自分にあった学習方法を見つけて行きましょう。

各タクシーセンターのホームページには数年分の過去問も掲載されています。暗記もある程度でき、問題集に慣れてきたら、本番をイメージして過去問を解き、採点してみましょう。間違えた箇所をもう一度学習し直し、苦手な部分を洗い出すといいかもしれません。

試験の傾向を知っておく

試験には傾向や必ず出る問題形式があります。
地図からすべての幹線道路や交差点を覚えようとするのではなく、まずは、問題集に掲載されている幹線道路図を使用して覚えていくようにしましょう。東京の場合、幹線道路図は6種類あるので、その全てを暗記しましょう。

幹線道路主要交差点施設名は確実に暗記するようにしてください。
暗記している内容が、どのような出題形式ででてくるのかを知っていると頭に入りやすいため、前述したように、問題集は繰り返し解くようにしましょう。

問題内容の構成を把握する

問題の構成は試験のたびに大きく変わるものではありません。
東京都の場合の基本的な構成ですが、問題1は、幹線道路・交差点15問を幹線道路図から出題されます。
問題2は施設関連図から10問出題です。
問題3(施設と区の組み合わせなど)、問題5(首都高関係、施設と駅の組み合わせなど)は問題集の練習問題から出題されます。
問題4は応用問題で難易度が高くなっています。内容は乗車地から降車地まで最短で通る交差点を答える問題です。

このように大まかな出題内容を事前に知っておくと、効率の良い学習方法もわかってくるはずです。
まずは、応用問題以外の問題から確実に点を取れるように学習していくことをお勧めします。

まとめ

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タクシー運転手になるために必要な地理試験について解説しました。
地理試験の内容を知って大都市でのタクシー運転手を目指すかどうか躊躇ってしまう方もいるかもしれません。

しかし、大都市ではタクシーの需要は高く、知識や仕事の仕方次第で高収入も見込まれます。

不安な場合は、サポート体制の整った会社に入社することをお勧めします。大都市のドライバーはみなさん通る道ですので、諦めずに前向きな気持ちで挑んでください。



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