高齢でも応募出来るの?一番稼ぐ人の年齢ってどの位?

今回は「タクシー運転手と年齢」について考えてみたいと思います。
たびたび恐縮ですが、私は45歳の時にタクシー運転手に採用されました。その際、採用担当の方から「あんたは、まだまだ若い方の部類だよ」と言われた事を思い出します。事実周りの同僚を見渡すと、50後半と言う方が最も多く、60代なんて平気で働いていますよ。

最も、最近は若い人が急に増えて職場が明るくなった(&我々ジジイが居辛くなった?)ものですが。

では、タクシー運転手と年齢の関係とは、一体どのようなモノなのでしょうか?

(1)タクシー運転手に応募出来る年齢は?高齢者も応募出来るの?

色々な企業の採用広告を見ると、「募集年齢〇〇歳未満」「〇〇歳~〇〇歳の間」と書かれていますね。企業には、「採用したい人に求めるスキル」「教育費用や投資費用が少なく済む」などの様々な思惑から、年齢制限を掛けて来る事はお解りですね。

実は、タクシーギョーカイにも「正当な理由」で年齢制限を設けているのです!。

最も若い人が応募出来るのは「概ね21歳以上」です。それは何故か・・・国の法律によるものです。理由は、この後の章で詳しくお話します。

では、私の様な年齢が50を過ぎた人は「フリーパスでは入れるの?」と言えば・・・

50歳Overはフリーパスでなれる?ぶっぶぅ~××(ダメぇ~)

となります。各社見解や募集広告に掲載の表示は様々ですが、概ね57~59歳と定めている会社が多いですね。ウチの会社の場合、募集広告に掲載している上限年齢制限は58歳。どうしてか?とある時聞いてみたところ「二種免許の取得費用が、55歳を境に高くなる」と教えて貰いました。

私達タクシー運転手は、入社後に「二種免許」・・・いわゆる緑ナンバー免許・・・を取得します。人様からお金を貰って人や物を運ぶ車両を運転するのに必要な免許ですが、実技や法令試験を含め結構難しい。特に法令試験は「一発で合格出来れば儲け物」と言われるほど厳しく、加えて若い人でもネを挙げる運転実技は、運転歴が30年以上の中高年と言えどかなりエグイ。

私で25万掛った(らしい)「二種免許」の費用が、55歳以降の人の場合はさらに値上がりするのです。

二種免許取得費用は年齢×1万円!?

掛ったと言う実績があると言うのです(驚)。そりゃ、会社としても「コスパが悪すぎ!」と敬遠するのは無理もありません。しかし中小や地方のタクシー会社では、深刻なドライバー不足を補うため、あえてそのリスク覚悟で、60歳超の高齢者を養成で採用するケースも最近広がっています

ただ、そうやって乗務出来る様になっても「乗り場&駅付け限定」など一定の制限を掛けられる事も少なくない様です。

乗り場&駅付けとは

駅のタクシー乗り場でお客様をのせようとタクシー乗り場に並んで順番を待つこと。一般道でお客さんを見つけるより簡単ですが、駅のタクシー乗り場からタクシーに乗る方はそんなに遠くまで行くわけでもなく、駅付けだけではあまり売り上げにならない。

もし、私と同じ年齢の方でタクシー運転手の転職をお考えの方は、ギョーカイ全体が大卒新人に採用をシフトする傾向がみられているので、早めに決断される事をお勧めします。

(2)若い人は、何歳位から応募出来るの?

さて、前章で話した通り、タクシー運転手に応募出来る最も若い年齢は「概ね21歳」と定められています。タクシー運転手になる為の必修ライセンスで、道路交通法・道路車両運送法等で定められている「二種免許」が取得出来る条件とは・・・

  • 普通・中型・大型等の「一種免許(いわゆる自家用免許)」を取得して3年以上経過した者
  • 概ね21歳以上の者(18歳の誕生日に一種免許を取得した事が条件)

つまり、18歳の人が誕生日に普通一種免許を取得した場合、3年後の誕生日にタクシー会社応募しても採用される可能性は十分あります(ウチの会社で21歳入社っていうのは過去無かったけど)。しかし、東京地区に営業所を構えるタクシー会社の考え方としては「若い人=免許取得から3年以上経過した大卒生」という考え方が一般的とされています。

(3)タクシー運転手に転職するのに、最も理想的な年齢とは?

いまでも、タクシー運転手に転職する人のことを「一般企業からお払い箱になった人」と呼ぶ傾向は無くなっていません。年齢的に私同様40代半ば~50代半ばだとされ、いわゆる企業での出世競争に敗れ、今の勤務先では賃金が下がるだけと呼ばれた人です。

ある意味賃金ベースを維持しようとか、賃金の下げ幅を少なくしようとする考え方から見れば、40~50代の年齢は「タクシー運転手転職理想年代」と言って良いかもしれません。最近は若い人の進出も目立ちますが、運転年数の実績などを考慮すれば、事故率が少ない40~50代は「タクシー会社にとって『金の卵世代』」と言えるのではないでしょうか。

(4)タクシー運転手で、最も多い年齢帯は?

まずは、この資料を見て貰いましょう。⇒『国土交通省 タクシー事業の現状』
国土交通省がタクシー事業の現状についてまとめた資料ですが、もう一目瞭然ですよね。タクシー運転手の主力年代とは・・・

55歳~64歳

と言えるのではないでしょうか。この層だけで、タクシー運転手のほぼ半数を占めると言えます。では、これらタクシー運転手の地域別平均年齢と平均勤続年数はどの位でしょうか。

もう一つ資料を見て貰いましょう。『タクシードライバーの平均年齢と勤続年数に関するレポート』
タクシー転職サイト「ドライバーズワーク」からの資料ですが、国交省の資料データを裏付けるものですね。平均勤続年数が8.8年という点から考えると、これまでの勤務先を離れ、年金受給前までの間タクシー運転手として勤務し、次の世代が入社する頃にリタイヤするという人材循環が見られて面白いですね。

最も大卒を中心に、20~30代の若年層のタクシー運転手への進出は目覚ましく、そう遠くない時期にタクシー運転手の人口ピラミッドが逆転する可能性もあります。

(5) 収入の多いタクシー運転手の年齢帯は?

若手タクシー運転手から「どの年代になれば、一番儲かるのですか?」とよく質問を受けます。残念ながら、数値的に示した資料がなかなか見つからないのが実情です(実際私も知りたい)。

はっきり言えば「この年代だから儲かる」と言う事は、タクシー運転手には通用しないと思います。敢えて言うならば、経験が深まるほど地理や道路状況、さらには信号のタイミングまで頭に入っているドライバーは、若手より遥かに効率的な営業をやっているのは事実です。

確かにタクシー運転手の職業寿命は短いと言われます。激しい勤務による肉体的&精神的負担の多さは、他の職業人の比ではありません。とは言え、一生稼げるライセンスですから、一日でも長く務められる様に体調管理やリフレッシュをすれば「タクシーギョーカイの主」になれるのも夢ではありません。

一説には40代後半~50代半ばがタクシー運転手の山と言われますが、70代で年収600万超えの個人タクシー運転手が都内にはゴロゴロ居ます。余り年齢がどうだのこうだのは気にせず、バリバリ稼いだ方がいいですよ。

(6) まとめ

★タクシー運転手への応募年齢は21~概ね57or58歳

近年ドライバー不足から、地方を中心に60歳以上の採用もある。一番下は、大卒生と考えた方が良い。

★タクシー運転手には、最年少で21歳で応募出来る

ただし、応募時に取得3年以上の普通免許を持っている事が条件。殆ど居ないのが実情。

★タクシー運転手転職の「金の卵」は、40代半ば~50代半ばと言われる

社会経験豊富&運転経験20年超の人材は、タクシーギョーカイにとって正に「金の卵」。

★タクシー運転手は、年代に関わらず稼ぐ人は稼ぐ!

知識と経験を叩きこめば、60代になっても年収1000万円への道が開けます。

 



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今年6年目の乗務員生活を謳歌している現役タクシードライバー。1967(昭和42)年生まれ。2013(平成25)年日本交通系タクシー会社のドライバーとなる。黒タク資格&スリースター(最上級乗務員)資格所有。