タクシー運転手で稼ぐなら東京

個人タクシーの約4割が東京で営業

「大手四社」と聞いてピンとくる人は、余程のタクシー通だと言えます。

東京には数多くのタクシー会社があり、東京23区、及び三鷹市・武蔵野市を縦横無尽に走り回っています。

国土交通省の統計(平成29年3月31日現在)では、全国の法人タクシー会社は6,231社、車両台数は188,792台あるそうです。その内、東京の法人タクシー会社は439社(7.0%)で、車両台数は30,848台(16.3%)となっています。

東京の法人タクシー会社は、数だけで見ると全国でトップです。

特徴的なのが個人タクシーで、全国的には35,150台ですが、東京には何と13,788台あります。実に4割近くが東京に集中している事になります。

少し古い表現ですが、「花の都、東京」といったところでしょうか。

東京のタクシーが稼げる事は、平均年収からも見て取れます。

一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会の統計(平成29年度)では、タクシー運転手の平均年収が全国では333万円ですが、東京都の平均年収は418万円となっています。稼ぐなら東京、と言っても過言ではないでしょう。

この東京のタクシー業界に長い歴史と実績で君臨しているのが、「大手四社」です。

大手四社「大日本帝国」とは大和・日本交通・帝都・国際(KM)のこと

「大手四社」とは、大和・日本交通・帝都・国際(km)の4社の事で、頭文字を取って「大日本帝国」と言われています。

ジャパンタクシーの導入に伴い最近は少なくなりましたが、黄色いカラーのタクシーを見かける事があるかと思います。あれは「四社カラー」と言って、4社が統一仕様で走らせているものです。

平成30年度に各社で公表された車両台数を見ると、

  • 日本交通が6,096台
  • 国際が4,358台
  • 大和が2,427台
  • 帝都が約1,400台

となっています。合わせると約14,000台で、東京のタクシー台数の46%以上を占めます。都心を走るタクシーのほぼ半分が、「大手四社」のタクシーになります。

日本交通

中でも、日本交通はグループを含めた車両台数、売上は群を抜いていて、配車アプリの開発や陣痛タクシーの実施など、新しいサービスの導入に積極的です。日本を代表するタクシー会社と言えるでしょう。

国際自動車(KM)

国際(km)は2020年に創業100年を迎える老舗であり、大和は業界唯一の東証二部上場会社です。「大手四社」は、いわゆるタクシー業界のリーディングカンパニー的存在と言えます。

特徴的なのは、「東京四社営業委員会」という一種のカルテルを組んで、「東京四社タクシーチケット」の発行やICカードの運用などで業務提携している事です。日本交通などは約10,000社の企業と法人チケット契約を結んでいるので、その威力は馬鹿に出来ません。

大手四社は新人教育・研修制度が充実している

日本交通のUDタクシー

4社の共通点は、まず研修制度が充実していることです。研修センターを構えて現場叩き上げの専門講師を配置し、有名専門学校並みに「タクシー運転手とは何か?」を徹底的に叩き込みます。

次に、給与保証制度がしっかりしています。帝都などは、配属後の4カ月間で40万円か、又は6カ月間で35万円かを選べるようです。他の会社も概ね、3カ月間30万円以上の保証があります。

そして、肝心な乗務後には、専用乗場や法人チケットなどの稼ぐためのアイテムが用意されている事です。まさに、研修制度から始まって、アメとムチを駆使しながらタクシー運転手を育てあげていくのが、「大手四社」だと言えます。

未経験からタクシー運転手になるのなら大手四社のいずれかに就職をお勧めする乗務員が多いのはこうした理由からです。

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手広く事業をやっている準大手のタクシー会社

日の丸交通観光タクシー
日の丸交通の観光タクシーの乗務員

当然、「大手四社」だけがタクシー会社ではありません。東京には、様々なキャラクターのタクシー会社がひしめいています。

タクシー業界では、東都や日の丸、グリーンキャブなどは準大手と言われています。

東都(東都自動車グループ・タクシー部門)

東都はゴルフ場やホテルの経営を手がけており、自動車学校も運営するなど、複合的企業としての特徴があります。また、数年前に聞いた話ですが、車の稼働率が重視されるタクシー業界において、隔日勤務でも最大12日しか乗務させないというポリシーを持っているようです。

日の丸交通株式会社

日の丸も目黒区で自動車学校を運営しており、高速道路のサービスエリアで売店・レストランを営業するなど、本業以外でも色々と手広く事業展開しています。なお、西日本や北海道にある日の丸を冠するタクシー会社とは、まったく関係がないみたいです。

グリーンキャブ

グリーンキャブは本社が新宿という好立地に位置しており、タクシー運転手にとっては稼ぎやすい環境と言えます。また、歩合率も60%以上と謳っており、タクシー業界には珍しく事故保証あり・足切りなしを明記しています。ユニクロと提携して、斬新なポロシャツを取り入れているのも特徴の一つです。

準大手は、グリーンキャブを除いては多角経営、複合的なグループ会社としてタクシー事業を運営しているように思います。経営基盤もしっかりしていて、タクシーも堅調なようです。この3社をはたから見ていると、何かゆとりのようなものが滲み出ているのが感じられます。

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他の個性派タクシー会社

チェッカー

東京には、他社との差別化をはかって、個性的な営業を展開するタクシー会社もあります。

東京無線とチェッカー無線

東京無線は「東京無線共同組合」、チェッカーは「チェッカーキャブ無線共同組合」が正式名称です。彼らは事務局を中心に、共同体としてタクシー事業を行なっています。無線配車が主力なので、「流し」はついでにやっているようなところがあります。

エコタクシー

また、格安路線のエコタクシーなどは、初乗り料金300円、深夜割増料金なしの非常にリーズナブルな営業を行なっています。

ハロートーキョー

かと思うと、高級路線のハロートーキョーなどは、「ファーストクラスのおもてなし」をキャッチフレーズに、顧客にも都内の一流ホテルや外資系企業が多いみたいです。成田空港送迎が東京のタクシー会社では一番の本数があると豪語しています。

規制緩和と規制強化を繰り返すタクシー業界

変化が激しいタクシー業界

2002年の「タクシーの規制緩和」で新規参入が容易になり、タクシー会社は飛躍的に増えました。しかし、歴史に揺り戻しはあるもので、2013年以降規制は再度強化されて今に至っています。

日本交通、国際などは吸収合併競争を繰り広げており、「大手四社」はますますコングロマリット化していくような気がします。

タクシー業界の再編は、どのように進んで行くのでしょうか。

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免独斎
東京都在住 60歳 タクシー運転手。既婚 子一人。 務めた会社が倒産した経験を2度する。様々な職種を経て、パチンコの店長からタクシー運転手へ。モットーは無事カエル。性格は面倒くさがり屋。趣味は読書とお酒、寝ること