運転手20年のドライバーが会社選びの極意をお伝えします

安定と自由とどちらを優先するか?

地方にお住まいの方でタクシーのお仕事に転職しようと考えている方にとって、転職先の選び方って悩むところですよね。地方でもタクシー会社はどこも求人を出していると思います。

悩むと言うよりも初めてタクシー運転手になるという場合は、全くわからないと言った方が正確かも知れません。ここではタクシー会社の選び方を、

  1. 安定性を求めるのか
  2. 自由性を求めるのか

の2つに大別して、そのメリット・デメリットを考えてみたいと思います。

1.安定性を求めた会社の選び方

会社の保有しているタクシー車両台数を確認する

地方でもタクシー会社には種々様々な会社があり、何処を選んで良いものやら分からないと思いますが、初めてタクシーに乗る人が最初に門を叩かなければならない就職先は、大手のタクシー会社です。

大手とか中規模、小規模と言った違いは、その会社が保有しているタクシーの保有台数で区別しています。

地方のタクシー会社の標準的な区別方法

  • 50台以上なら大手
  • 20台~50台は中規模
  • 20台以下なら小規模

と言う感じで区別して行くのが妥当です。

異業種からタクシー運転手になる場合は大手がオススメ

タクシー運転手として初めて就職する人は、まずは50台以上保有している大手のタクシー会社に就職することを考えましょう

大手のタクシー会社に就職するメリットとして、第一に、教育体制が整っていることです。

タクシーに初めて乗る方にとっては、タクシーの仕事や1日の流れが全く分からないと思います。大手のタクシー会社では新人教育が充実しており、業務に慣れるまでは教育係と呼ばれる先輩運転手が、一人前になるまでずっと付いてくれるので安心です。

第二に、仕事が安定し売上が安定している点が挙げられます。大手のタクシー会社と言うものは、それなりに顧客が多数存在しており、いわゆる「流し営業」と言う方法を取らなくても車庫で待機していれば自然と順番が回って来て、毎回の勤務で安定した売上が確保出来ると言う点が最大のメリットではないでしょうか。

「流し営業」の場合、いつお客さんが乗車してくれるのか全く未知でありますので、不安定この上ない営業方法なのです。

特に地方の場合は、人口の差が「流し営業」に大きく影響してきますので、初めて地方でタクシーに乗られる方は安定的に勤務できる、車庫待機を基本としている会社を選ぶべきだと思います。

第三に、福利厚生が比較的しっかりしている点が挙げられます。タクシー会社の給料体系と言うものは、歩合給のみが基本なのですが、大手の会社では福利厚生を考慮してくれるため、会社によっては慰安旅行のようなものもあります。

大手タクシー会社のデメリット

第一交通HPより

大手のタクシー会社に就職するメリットばかりを述べてみましたが、もちろんデメリットもあります。

大手のタクシー会社に就職するデメリットとして、第一に、会社の規則が格段に厳しいと言うことです。タクシー運転手の自由性を求める方にとっては、これほど窮屈なことはないでしょう。

服装から始まって言葉遣いや態度まで厳しくチェックされ指導されます。ご乗車されたお客さまからクレームなどが入ると、歩合を減給されるペナルティが課せられたり、交通事故や交通違反などでもペナルティが課せられたりします。

第二に、運転手同士の上下関係や人間関係が煩わしい側面もあります。狭い待機所の中で多くの運転手が配車待ち待機をしているため、新人が入って来ると意地悪をする先輩運転手も存在します。

お客さんを迎えに行く場所、これを配車場所と言いますが、新人の頃は配車場所が分からないため、先輩運転手に教えて貰わなければなりません。そのため、少しばかり意地悪をされても先輩運転手と仲良くせざるを得ないのです。

第三に、勤務時間を超えて会社から勤務を強要される可能性が高いことです。大手のタクシー会社と言うものは顧客数が非常に多いため、その日の運転手だけでは足りなくて、次のシフト運転手が出勤するまでの間、残業のような形で居残りさせられる可能性が日常化しています。運転手不足の今日、現在の運転手の人数では仕事が回らないと言うのが大手のタクシー会社の現状なのです。

2.自由性を求めた会社の選び方

タクシー運転手の魅力は自由で人間関係にしばられないこと

タクシー運転手の最大の魅力は、「路上に出たら一匹狼」と言う、上下関係や人間関係の煩わしさの無い、1人だけの力で自由に仕事が出来ると言う点に尽きると思います。

先ほど、大手のタクシー会社は人間関係が煩わしいと書きましたが、タクシー業界はオフィスワークと比較したら人間関係はずっと楽だと思います。異業種から転職してきてしばらく運転手をやっている人はみなこの点をメリットとして挙げると思います。

この最大の魅力を十分に活かせる会社選びであれば、小規模化タクシー会社に就職することを選ぶようにします。

小規模タクシー会社に就職するメリットとして、第一に、初出勤日から自分専用のタクシーを用意してくれ、街中のタクシー待機所で自由に客待ち待機出来ると言うことです。街中には決められたタクシー待機所、例えば駅前や空港、高速場所降車場など多数のタクシー待機所があり、自分の思う場所に自由に出入りして客待ち待機します。

第二に、タクシー運転手同士の上下関係や人間関係で悩むことは全くないと言うことです。小規模タクシー会社の運転手はそれぞれが最初から「流し営業」での営業活動をしているため、同じ会社内の運転手同士でも会話をしたことがない、と言う運転手たちが大半です。

第三に、勤務時間に関しては実にアバウトで、運転手の都合で、暇な日や気分が乗らない日は早く終わったり忙しい日や快調な日は遅くまで残っていたりと、自分の計画で勤務時間を調整出来ることです。

自由度が高いことは同時にデメリットもある

次にデメリットですが、第一に、会社からの仕事が殆ど無く、いわゆる「流し営業」だけに頼らざるを得ないので極めて収入が不安定です。

待機場所での2時間待ちなどはよくあることで、長時間待ったからと言って長距離のお客さんが乗って来るとは限りません。

第二に、新人教育や研修のようなものは極めて簡易で、その会社の社長さんとか事務員さんとかが運転日報や営業車について簡単に説明するくらいで、手厚い新人教育とは程遠いです。他のエリアでタクシー運転手経験があるとか、バスの運転手をやっていたなど近しい仕事からの転職であれば自由度を基準にタクシー会社を選んでもいいと思いますが、未経験の方は大手をお勧めします。

第三に、常に1人で長時間過ごしますので人恋しくなる、と言うことです。もちろんご乗車されたお客さまと話す機会はありますが、短時間での空間ですので物足りない感じです。

会社選びの際は自分の経験値から選ぼう

未経験なら安定性重視で大手タクシー会社を

以上、「安定性の職場」と「自由性の職場」を詳しく考察してみましたが、タクシーに初めて乗る人は「安定性の高い職場」へ身を委ねた方が無難だと思われます。

何も分からない段階でいきなり「自由性の職場」へ身を置くと、まず売上が出来ません。最初は大手のタクシー会社へ身を置き、タクシーのイロハを習得した後に次へのステップを考えるのが王道だと言えます。


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tatsuya
地方都市にて夜間専門のタクシードライバーとして勤務するかたわら、タクシー業界の現状について鋭く解説する異色のライター。21歳で二種免許を取得して以来、30数年間旅客自動車ドライバー職に従事する、タクシー業界のカリスマ的存在。