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タクシー運転手に定年は存在するのか?
「老後資金が不安だからできるだけ働きたい」「子供が小さいから出来るだけ長く働きたい」など色々な理由から、60代以上でも働きたい方は増えていると思います。
タクシー運転手の定年は、周りのタクシー会社勤務の方に聞くと60歳と聞くことが多いです。「え、もっと年上のタクシー運転手って多くない?」と思う方もいるでしょう。
タクシー運転手の平均年齢は50代ぐらいといわれております。タクシー会社の定年は60歳又は65歳ですが、選択定年制を導入していています。その後は1年ごとの契約で一定の条件を満たす事で勤続延長が可能です。
条件とは、定期的な健康診断を受診する事や、運転技術面に問題ないか確認です。最大で75歳ぐらいまでは延長して働ける企業が多いです。
東京だけで75歳以上のタクシー運転手は約3,000人もいるそうです。(出典:NEWSポストセブン)
つまり、タクシー運転手は自分の体力が続く限り定年が存在しないという考え方もあります。
企業定年後にタクシー運転手に転職できる?
タクシー運転手の一番大切なテクニックは「運転テクニック」「接客業」のこの2つの組み合わせになります。
一般企業を定年退職してからタクシー運転手になるのはハードルが高いでしょう。乗客を乗せるためには一般の免許だけではなく2種免許が必要で、すでに2種免許を持っているとか、なにか実績(バスの運転手等)があって退職後にタクシー運転手になったという方はおります。
運転テクニックは経験が物をいうので、ハンドルを握って運転した期間が長ければ、長いほど運転テクニックが向上します。
接客業の面についても、年齢が増せば人として精神的に落ち着き、円熟します。
長く生きていると、色々な知識や物事を色々な方面から捕らえる事が出来るので、タクシー運転手を定年後に転職先として選択する人は、既にアドバンテージがあるという事です。
高齢になると物事を覚えるスピードが遅くなるので、道を覚える事が苦手だから苦労するのかな?と考える人も多いですが、実際にはカーナビも進化しているので道を覚える必要がなく、カーナビの操作・決済端末操作を覚えるだけで充分です。
タクシー運転手が60歳になった時の給与
タクシー運転手は働く場所や歩合によって多少変動はしますが、厚生労働省が計算したタクシー運転手の年収を紹介します。
60歳~64歳の月収は、25万円、ボーナスは、18万、年収は329万円と言われています。
65歳~69歳の月収は、23万円、ボーナスは、12万、年収は291万円です。70歳を超えると、月収は、23万円、ボーナスは、12万、年収は291万円に落ち着きます。年齢が増すと給与が徐々に落ちていきますが、タクシー運転手のピーク年収は25歳~29歳と言われています。
タクシー運転手が定年を迎えた後はどうなるの
タクシー運転手が定年を迎えると3つの道があります。同じ企業で働き続けるか個人タクシーを運営して働くかです。残りは退職してゆっくり家で過ごすという道もありますが、殆どの場合働く道を選択します。
勿論、同じ企業で働き続ける場合は、健康診断や運転技術が衰えなければ働き続ける事は出来ます。しかし難易度が高いのは個人タクシーに挑戦する選択です。
一番気をつけないといけない事は、タクシー会社で65歳まで働いていた人は必然的に法人のタクシー運転手にしかなる事が出来ません。
個人タクシーの運転手になるには、条件があります。国土交通省が通達を出しており、個人タクシー免許申請の年齢制限は65歳です。更に、タクシー事業者に運転者として雇用されていた期間が10年以上必要であり、申請日以前3年間無事故無違反、有効な第二種運転免許書を有していることが最低条件になっています。
この事を踏まえると、個人タクシー免許を取得するには、55歳までにタクシー会社に就職する必要があります。
定年後に稼げる人と稼げない人の違いとは
定年後に法人タクシーで働く場合は、年収が300万円を超える事はありませんが、個人タクシーであれば、300万円以上を稼ぐ人は多いです。
個人タクシーとして運転手をしている人は一定の経験を積んだベテラン運転手に限ります。その中でも、稼げる人と稼げない人が出るのは、長年のテクニックだけでなく、日々考えて運転しているのか、ニーズにあった動きをしているかが重要です。
稼げるタクシー運転手は情報を欠かさないと言われています。
- 会社帰りの電車の終電時刻
- イベントの終了時刻や場所
- 飲み屋が多い場所
などの徹底的なリサーチが必要です。
更に、個人タクシーの場合、リピーターが重要になります。稼げる個人タクシー運転手さんは人当たりがよく、次も利用したいと思わせる事が上手です。
情報戦略と接客の両方の面が備わっている事が大切なのがわかります。
タクシー運転所として独立後大変な事
個人タクシーとして独立後メリット・デメリットは存在します。
法人タクシーの場合、この時間に出社して、この時間に退社する、このコースを回るなど細かく決められています。しかし個人タクシーの場合は、いつ休んでも、いつ働いても良いという事です。
法人タクシーに所属している時は、運転しているだけでよかった業務内容が、大きく変化します。クレーム処理は勿論の事、確定申告等も当然自分でする必要があります。他には、諸経費も自分で負担しなければいけません。
既に、法人会社が契約している専用乗り場は入る事が許されませんが、自分の交渉テクニックでホテルや病院などを契約していく必要があります。
上記だけみると、個人タクシーは悪い所だらけに見えますが、個人タクシーは会社員と変わらないので利益が出た場合は全て自分のお金になります。更に働く時間も休みも自分で決める事が出来るのでプライベートが充実しやすいという利点もあります。
長く働くのは若い時からのキャリアが必要
この記事では、タクシー運転手の定年とその後についてまとめました。タクシー運転手は定年を迎えても働ける職業ですので、人気ですが、個人タクシーとして働く場合は一定のキャリアが必要です。事務職で働いているけれど個人タクシーで働きたいなと考えている人は早めの決断が必要になります。