この記事の目次
タクシー運転手への転職「成功する人」と「失敗する人」
安易に転職をして「後悔しない」ための心構え
タクシー運転手はなんとなく楽そうというイメージをもっている人もいるかと思います。
そのような安易な気持ちで転職を決めては、働き始めてからその仕事の実情に気づき、しんどい思いをするかもしれません。
タクシー業界に限ったことではありませんが、転職では必ず事前の入念なリサーチが必須です。
そこで今回は、タクシー運転手に転職しようと考えている方のために、タクシードライバーとしての転職を成功させる人と失敗する人の違いをご紹介します。
そんなに甘くない「タクドラ転職」

最近は、各媒体が競って争うタクシー運転手の転職。
首都高新宿線(4号線)の新宿カーブの出口に、デカデカとタクシードライバー転職の広告看板が出ていたりしますよね。
かつての「長時間労働」「安い賃金」等イメージは過去のものとなり、養成(中途入社)乗務員から聞いた話によると…
- ホワイトな勤務体系(道路車両運送法に基づく勤務時間管理の厳格化)
- 賃金体系の改善(まじめにやっていれば、大体手取りベースで30万)
が決め手になったと言います。
確かに少し昔と比べると、賃金ベースは大幅に上がったと言えます。
ご存知かと思いますが、入ったばかりのタクシードライバーは3ヶ月間「保証給」制度があって、営収に関わらず3ヶ月間一定の高級が保証されるのです。
少し前の入った頃の「保証給」=32万円
↓
今の入社した場合の「保証給」=42万円
ざっくりした金額ですが・・・ひと昔前とは隔絶の勘です。
とは言え、こうした努力により、次第に新卒&養成に関わらず入社した乗務員達の定着率は上がっています。
養成(中途採用)乗務員の3年後の定着率
2011(平成23)年=18.7% ⇒ 2017(平成29)年=26.3%
少し昔のデータになってしまいますが、
確かに6年間で8ポイントUPと言うのは、驚くべき事だと言えると思います。
2017年以降も年々定着いつは上昇しているのです。
しかし…考えてみて下さい。
最近の「一般企業の定着率が悪い」とメディアで話題ですが、その数値と比べ上記で案内したタクシー会社の定着率は、遥かに一般社会と比べ下回っていると思います。
こんなに恵まれた労働環境にもかかわらずなぜ?
実際にタクシー乗務員に聞いてみたところ、こんな話が出て来ました。
- 勤務時間が慣れない(やはり20時間拘束は過酷?)
- 女性の場合、いつ襲われるか解からない&生理休暇が取り辛い
- 稼ぎ方が解らない
が殆どでした。ただこれらすべてに共通するのは入る前にもわかったことだという点です。
事前に調べておけば入社後のミスマッチは防げたのではないでしょうか?
何度も言いますがこれはタクシードライバーに限らないことであり、どの職業でも共通することです。
タクシー運転手の転職に成功した人と失敗した人との違い

失敗した人の共通点
タクシー運転手は基本的に歩合制で給料をもらう仕事です。
安定していると思って転職した人は入ってからその考えの甘さに後悔するでしょう。
確かに、規定勤務日数(時間)を乗り切れば、基本給や手当は支給して貰えますが、給与の約四割を占める「歩合給」がゼロでは、タクシー運転手に転職した意味はありません。
タクシー運転手の特性を活かせて働けていないと言えます。
昔は乗務員募集にも結構苦労した時代があったそうで、ある程度勤務をこなしてくれるなら、営収は二の次で乗務員として残して行くと言う傾向も見られたようです。
しかし、タクシー運転手への転職が花盛りとなる今、営収が伸びないドライバーは「スペア扱い」にされたり、肩叩きにあって辞めざるを得ない状況に追い込まれることも少ないようです。
まとめると、タクシードライバーという職業に関してのリサーチを怠り、なんとなくなイメージで転職を決めた人が失敗する傾向にあります。情報収集不足です。
成功した人の共通点
失敗した人がやらなかったことをしっかり実行した人が成功しています。
転職活動を始めてまず、タクシードライバーの勤務形態、給与体系、メリット、デメリットをしっかりと調べそのうえで自分に合うか合わないかを判断する必要があります。
そのあとに、タクシー会社をいくつか調べそれぞれの制度や福利厚生の違いを把握し、会社選びを入念に検討することが重要です。
採用までのどの過程においても十分な情報収集を行わないと失敗してしまします。
タクシー用語「スペア扱い」
乗務ダイヤから外れたタクシー運転手のことです。
担当する車を貰えず、当日本担当の乗務員が病欠などして穴が際に、その車に乗って行く。
無論乗れる保証は一切なく、病欠などが無ければ、その人達は帰る事になって欠勤扱いです。
タクシー運転手転職に「失敗した人」の殆どが、そうした先のリスクを考えず、場当たり的に「楽な仕事だけやる」とか「会社にぶら下がって基本給だけ貰えれば良い」と考えている人達だと言えます。
ただ、最近は内勤社員の「目利き」も鋭くなって来た様で、「コイツは危ないなぁ」と思えば、遠慮なしに面接時点で落しているケースが増えていると聞きます。
「会社に入るのはあくまで通過点。道に出てからが本当の勝負」
そう覚悟を決めて入って来るなら、時間の多少はありますが、立派なタクドラとして大成しますよ。
「身の丈」に合わせた会社選びがカギ

ところで、これからタクドラ転職をお考えの方に、一言ご忠告したい事があります。
それは…「自分の身の丈に合った会社を探す事」
タクシー会社と言えども「トップの会社」でいきなり活躍出来る事はまずないでしょう。
それ以上に「しっかり教えて貰える」とか「個人へのフォローが充実」と言って面を重視し、自分の身の丈に合った居心地のいい会社でタクシー運転手としての人生を始めるのが良いと思います。
例え最初に入ったタクシー会社が弱小であっても、5年勤めて「そろそろキャリアアップしたい」と思えば、最初の頃ではビビッて受験しなかった上位のタクシー会社の門を叩けばいいのです。
その面接の中で…
上位会社偉い人「なんでウチを受けたの?」
それに対して貴方「キャリアアップしたいからです!」
と言ってしまえば、大体OK。後はタクセンの乗務記録や運転免許前歴にキズが付いていなければ、上位の会社でまたキャリアアップの機会が出来るものです。
都内で車を使って仕事してきた方(営業・運送業など)や、接客業に携わってきた方など運転か接客に自信がある方は最初から上位の会社を狙っても構いませんが、「全く自身の無い方」は、よく会社選びをして、「ここなら自分の身の丈に合っている」と言う研修制度も整っている会社へ入社する事が肝心です。
まとめ・甘く考えずタクシーの仕事をよく調べること
タクシー運転手になっても3年残るのは4人に1人です
上記の様に、色々とタクドラ転職に「成功した人」「失敗した人」の例を挙げて来ましたが、参考になったでしょうか?
タクシー運転手という職業は一般的なサラリーマンと違って、働き方に特徴のある職業です。
入ってからのミスマッチを感じる人も少なくありません。
転職に失敗することがないように、事前に情報収集はしっかり行うことをおすすめします。