求人の給料だけ見たらタクシー運転手は見たらいい仕事?

タクシーへの転職で失敗しないためにここだけの話教えます!

みなさんはタクシーに乗ったことがありますか?
ほとんどの人が乗ったことがあると思いますが、このタクシーという仕事、転職として見るのならどういう所に注目すべきなのか意外とわからないものです。

今回はそんなタクシーの仕事に就きたい!と思っている方へ、都内で現役タクシードライバーの私が説明をさせて頂きたいと思います。

タクシーの求人はインターネットや求人雑誌で割とよく見かけます。
特に近年はスマートフォンの普及により、ネットで求人や広告を出す会社さんが増えてきました。

しかしながら、その求人に書いてあることが全て正しいかと言えばそうではありません。タクシーの求人の一部を抜粋すると、「給与保証6ヶ月!最低30万保証!」などの謳い文句が書いてあることがほとんどです。給与だけ見るとすごく良い仕事に思えますが、実際はかなり違うことが多いです。

私が務めている会社も給与30万保証!と謳っていましたが、私が実際にもらったお給与は25万円にも満たない金額でした。

タクシー会社の給料は歩合制

こういう違いを詳しく知らないと入った後で後悔が生まれます。
では、なぜこういう違いが生まれるのか?次はこの部分を説明していきます。

給与保証とは、文字通り、会社が指定する金額の給料は保証しますよ。というシステムです。手取りと書いているところもあれば、給料◯◯万円と書いていることもあります。

ただ、タクシー会社の給料は普通の会社員のように基本給+手当ではなく、歩合制なのです。1ヶ月の売り上げから、50~60%を支給します。

1ヶ月が100万円の売り上げとしたら50~60万円が総支給になるわけではありません。まず、売り上げから税金分を抜いた金額が計算対象となります。

都内でのタクシーの初乗りは410円です。もし初乗り料金分(約1キロ)だけ利用したお客様がいたら、そこから税金分の8%を引いた金額(380円)の50~60%が私たちの取り分となります。だいたい190~228円。

タクシー会社によって給与計算が異なる

また、入社するタクシー会社によって変わりますが、高速を使用した場合の高速料金も私たちの給与計算には反映されません

反映されない場合と、自腹(給与から天引き)という会社も存在します。制服代を給与天引きする会社もあり、会社によってかなり仕組みが違います。

まず転職をする際、この辺の仕組みを聞けるだけ聞いておかないと、話が違う!となってしまいます。

そして、その税抜きの1ヶ月の売上が、会社が定めてる売上金額を超えないと支給されないというノルマありの給与システムが多いです。

会社が大手になれば、固定給+歩合というシステムも存在しますが、私の会社で言えば、歩合の中から固定給を算出している計算になります。ほぼあってないような固定給です。

また、本当に固定給+歩合をしている会社もあります、給与がかなり高額になりますが、その分、1日のノルマが設定されていたり、ノルマに達成しなければ、公休を出勤したりして、補うなど、過酷な部分があります。

次に説明をする、休日の部分で休みについて説明しますが、この休みを削ってノルマを達成しなければならない所もあるので、ご自身の身体がついていけるかどうかもきちんと考えましょう。会社によっては休みを取りやすい所、取りにくい所もあります。

額面だけ見ると、非常に良い仕事ですが、裏があることを忘れないで会社を選ぶのが良いでしょう。

タクシー運転手は休日はどのくらいあるか?

タクシーの勤務形態には大まかに3種類の勤務があります。 隔日勤務、昼勤務、夜勤務の3種類です。

基本的に一番多いのは隔日勤務ですが、シングルマザー(ファーザー)の方や女性の方が多い職場は昼や夜があります。

昼、夜の勤務は休憩1時間を含む9時間。隔日勤務は法定で定められた3時間休憩を含む19時間が基本です。

19時間働く?隔日勤務とはどんな働き方か

また、残業として2時間が認められているので昼、夜は10時間、隔日勤務は21時間が勤務時間です。タクシーは法律により厳しく勤務時間が定められているので、これを超える時間を仕事することができません。

1ヶ月の総勤務時間を超えそうな場合は、1日の勤務時間を調整し、これを超えないようにします。また1日の走行距離というものも定められており、1日365km以上は走行していけないという決まりもあります。

では、隔日勤務の休日を見ていきましょう。会社によってばらつきはありますが、ほとんどの会社が1ヶ月11~12回勤務となっています、隔日の場合は日付を超えて仕事をするので、一回の乗務で2日勤務することになります。

その為、1ヶ月に換算すると22日〜24日が勤務となります。会社によっては会社指定休がある所もあるので、そこを出勤すると13回乗務が可能となります。

この出勤日数も法律で定められており、13回以上勤務や7日以上連続勤務をすることはできません。これを計算すると1ヶ月の間に6〜8日休日があることになります。

明けと呼ばれる2日目の勤務は、基本は夜中〜朝方に終わることが多いので、明け休みと捉えることもできるでしょう。

最初のうちは慣れるまで時間が掛かりますが、なれてしまえば、身体的には楽という人も多いです。実際私も慣れた今では、楽に感じます。異業種から転職してきた人からすると休みは多い、休みがしっかりとれると感じる方もおります。

福利厚生がしっかりしている会社が多いです

会社によって差はありますが、福利厚生がしっかりしている会社は多いです。深夜や早朝に仕事明けになるため、多くのタクシー会社は仮眠室やシャワーがあります。キレイかどうかは会社によって異なると思います。

社員寮がある会社もあります。キレイで豪華で有名なのは飛鳥交通の社員寮です。一方で「寮完備」と書いてあるけれどボロボロのアパートが社員寮という会社も。嘘ではないのですが(笑)

基本的な福利厚生から、産休や育休、各種支援制度もあったりするので、確認はしっかりと行ってください。

タクシーに必要な資格は?会社で取れるの?

ここが一番重要かもしれません。
タクシー運転手になるには運転免許二種免許とタクシー乗務員証というものが必要です。 二種免許は教習所に通って取得します。タクシー会社の中には社内に教習所があるところもあります。

タクシー乗務員証は二種免許取得後にタクシーセンターというところへ行き、試験を行います。この試験に合格すればタクシー乗務員として、デビューすることができます。

二種免許の費用がかなり高額です。おおよそで20万円~程度かかります。タクシー協会の試験も費用がかかるので、総額にするとタクシー運転手になる資格取得で25万円前後の費用がかかりますが、会社が負担してくれる場合がほとんどです。

しかし、費用負担としていても、実際は会社に立て替えをしもらい、給与から返済をするというものがほとんどです。だいた2年ぐらいかけて返済します。この場合、保証人が必要になるので、その辺りもしっかりと考えてください。

免許試験場で一発試験と呼ばれる物で、二種免許を取得することもできますが、かなり難しいと聞いています。その為、会社で取得する場合も教習所へ行かせ、しっかりと合格を狙えるようにします。

合格率だけを見ると、どの年代でも一種免許の合格率は70~80%あるのに対し、二種免許合格率はその半分以下30%台の数字です。

せっかくタクシーをやるのに、車に乗る前から手間取ってはなりませんから、会社もしっかりと力を入れて教育をします。二種免許取得支援制度も会社を選ぶ重要なポイントになるでしょう。

タクシー運転手を続けていくのは甘くない

やりがいはある仕事ですが大変なことも多い

いかがでしたでしょうか?求人情報はいいことばかり書いてあるかもしれません。来るもの拒まずのように見えて、続けていくのは大変な仕事で決して甘くはないです。

タクシーは公共交通機関として役目を果たします。交通の円滑を担っている仕事ですので、やりがいは非常にある仕事だと思っております。

この記事を見ていただいて、皆さんの転職活動の参考になればと思っています。もし、タクシー運転手になってみようと思った方がおりましたらどこかで、同業者として会える日を楽しみ待っていますね!



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現在都内でタクシー会社に務めてている、20代の現役タクシー運転手。最近ハイヤー運転手へ転属となったので、タクシーとハイヤーの両方を経験している。