タクシー運転手と聞けば、遅い時間まで働いているきついイメージや、ノルマがあり消化するまで帰れない、お客さんが見つからないからいつまでも同じところをぐるぐる走っているなどのイメージがありませんか?

実は、働き方改革の前からタクシー運転手を取り巻く環境がワンランクアップどころかツーランクもスリーランクも良くなっているのです。そんな離職率が高くない理由を徹底的に解説します。気になる実態にもスポットを当ててみました。

タクシー運転手の離職率は高いというイメージを持たれがち

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女性の働きやすさも改善されている

最近街中でタクシーを見ると、女性ドライバーがずいぶん見受けられるようになりました。実際にこれを読んでいる方の中には、タクシーを利用したらドライバーが女性だった方もいると思います。女性の職場は一昔前と変わり、職種の壁が低くなり働きやすい環境が整ってきた証でもあると言えるでしょう。

ですが、タクシー運転手の離職率が高かったら働こう、転職しようと思いますか?きついイメージは常について回るもので、残業がある、お休みが取りにくい、ノルマがある、そんな職場だったら働きにくいですよね。

子供が熱を出したら自分が病院に連れて行かなければとか、保育園の送り迎えや学校のイベントなど子育て中のお母さんたちは心配事が尽きません。家事や育児に追われて、やっと自分の時間が持てる頃になったら今度は子供の塾や習い事などの教育費ねん出に頭を悩ませています。

そんな普通の主婦や女性たちが、なぜタクシー運転手を選択するのでしょう?ただでさえ世の中に厳しい目を持っている彼女たちが、タクシー会社のドアをたたくのにはこんな好条件があったからなのです。

・入社祝い金・・・入社するともらえるお祝い金で、会社によって金額はまちまちです。
・社宅や寮・・・少しの負担で、寮や社宅に入居できます。
・女性専用○○・・・休憩室、更衣室、シャワーやお風呂などの専用エリアがあります。
・クラブ活動・・・ボーリング、ゴルフ、ソフトボール等運動系を中心にクラブを持っているタクシー会社があります。
・最長一年固定給・・・固定給が設定され、数か月から最長1年とその会社により規定が違います。
・日勤・夜勤・定時制・・・勤務形態が選べます。ローテーションで夜勤と隔日勤務が交互になったり、勝手に勤務を決められたりする心配がありません。
・無事故手当・・・所属する会社によっては、無事故が続くと無事故手当がもらえる会社があります。
・研修制度・・・しっかりとした研修制度があるので、入社して翌日から「行ってらっしゃい」と街に出されることはありません。2種免許を持ってなければ、免許取得金額を負担してくれるところがほとんどです。ですがその間はお給料の金額が変わるかもしれません。

この他にも、所属する会社によっては支度金という貸付制度や、マイカー通勤の駐車場無料、
駅近、制服あり、タクシー装備充実(カーナビ、防犯カメラ、ドライブレコーダー、防犯ボ
ード、キャッシュレス、自動支払機、コロナ対策消毒液常備)などと様々な条件があります。

これらの魅力的な環境が、多くの女性たちの働き口として間口を広げているのです。国土交通省も女性のタクシー会社進出を応援していて、女性ドライバー応援企業認定を推し進めているのです。

離職率は結局会社による

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タクシー会社は女性が働きやすくなっただけではなく、男性にも同じ条件下で運転手を募集しています。ほとんど残業もなく、決まった時間に帰ることが出来る。勤務形態を選択することが出来る。急な用事でも、出庫の時間をずらしてもらえるなどの融通が利くところもあります。中には男性でも育児休暇や介護休暇を取りたい方もいるでしょう。

ただそんな好条件なら離職する人がいないのでは?と疑問をお持ちの方もいると思います。その中の一つに、入社前に条件を良く知らずに給与が高いなどの理由で安易にタクシー会社を決めてしまったなどの、やり取り不足があります。

面接や逆質問で聞きたい事が思い出せなくても、忘れる事の無いようにメモに質問を書いておくのも一つの方法です。

結局は聞いていなかった。話してくれなかった。などと他の人のせいにするのは、社会人として首をかしげてしまいます。あくまでも職場として長く勤務するのですから、細かいところまでタクシー専門の求人サイトや求人広告を読み疑問は解決しておきましょう。

タクシーの運転手が離職する主な理由とは

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・お客様とのトラブル
・給与がなかなか上がらなかった
・体調を崩した
・年齢的にきつくなった

お客様とのトラブル

出会いは一期一会といいますが、自分と性格が合う人ばかりとは限りません。中にはトラブルを抱えていて、最初から怖い表情で乗ってくる方もいるかもしれません。ですがドアを開けた以上タクシーは公共の乗り物と定義されているので乗車拒否はNG。

乗車の申し込みなら断ることが可能です。長距離の運転と危険物所持の場合は断ることが出来るのです。ですがこの事をご存知のお客さんは果たして何割いるのでしょうか?

孫のための大量の花火、バイクや船への給油のためのガソリン(ガソリン携行管以外の給油は厳禁)そのほかにも薬品類や銃刀法違反に該当する物品などの危険物はどんな理由があるにせよ、法律でタクシーに乗せてはいけないと決められているのです。長距離も断ることが出来ます。それらは決して乗車拒否には該当しません。それを知らないお客さんへ注意喚起をしたところ運転手への暴言や暴力、高圧的な態度などがありトラウマになってしまった。ドアを開けるのが怖いとPTSDになってしまったケースも。

給与がなかなか上がらなかった

思った通りの収入が得られなかった、理想の給与が手にできなかった。カーナビに頼りっぱなしで道を覚えられず、迷ってばかりだった。コロナの影響で夜勤時間帯のお客さんが減ったせい。配車アプリのお客さんが来なかった。などです。

ですが外的要因ばかり探しているドライバーは運を当てにし過ぎていたのではないでしょうか。さらに最初から目標を高く設定してしまうと、クリアできなかったときの悔しさは言うまでもありません。稼ぐための引き出しや手数を増やせなかった、と考えざるを得ません。厳しいようですが、見方を変えると給料を上げられなかったともいえます。

体調を崩した

タクシー運転手は長時間座っている仕事で、腰痛の心配があります。タクシーの運転手や長距離トラックの運転手は腰痛の労災認定を受ける事ケースがあります。もちろん腰痛は色々と予防する手立てはあるので、体調を崩す要因はそれだけではありません。座っていることで、腸の運動が鈍くなり便秘にもなりやすく排便がスムーズにいかず痔ろうになる方もいます。ただこれらはほんの一部で、すべての人が当てはまるわけではないのです。

年齢的にきつくなった

加齢による視力の衰えや、記憶力の低下、疲労回復が遅くなるなどの自覚が多くなるとタクシー運転手としてきついと感じる事が多くなります。タクシーは公共の乗り物として、お客さんを安全に目的地まで乗せなくてはなりません。

視力の低下で、信号の見落としや歩行者への注意義務、危険予知が遅れると焦りますよね。普通に自家用車の運転をしていても多少のヒヤリハットは身に覚えが・・・。それは20代でも、50代でも関係ありませんがタクシーを運転している場合事故につながる危険が否めません。

タクシードライバーは努力次第で稼げるやりがいのある仕事

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ほとんどの会社が歩合制を取り入れている

30代40代の働き盛りが転職で、タクシー運転手を選択するのはなぜか知っていますか?実際にお給料を増やしている人が多く、工夫次第で前職よりお給料が高くなった、返済が多くコロナで仕事が無くなったがタクシー運転手になり早く返済してすっきりした。と固定給ではなく歩合制でやりがいを感じながらガッツリ稼いでいる実態があるからです。

固定給はずっと同じお給料で慣れるまでしばらくは安心ですが、頑張りや工夫をしていても逆にもらえる額は変わりません。その点、歩合制なら頑張った分が手元に来るのでもっともっと上を目指すことが出来ます。さらにお休みも休息時間が決められているので、思ったよりも多いかもしれません。

「ありがとう」と直接言ってもらえる仕事

ありがとう。今年、家族やお店以外に何度言ってもらえましたか?意外と少ないと感じたのではないでしょうか?仕事をして感謝をされるのは本当に気持ちが軽やかになり嬉しいものです。お会計の時に、何もしていなくても「ありがとう」と言ってもらえるのは知らず知らずのうちにお役に立てているからです。

タクシーの中ではドライバーとお客さんだけになります。言葉は自分の鏡となり、優しい言葉には優しい言葉が返ってきて反対にきつい言葉にはきつい言葉が返ってきます。

タクシーはお客さんにとってドラマのワンシーンのようなもの。あくまでもお客さんを思っての言動を心がけましょう。急な雨の日に清潔なタオルを差し出すなど、他のタクシーとは違うちょっとした配慮は記憶に残り次への営業につながります。

まとめ

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最初に離職率を上げましたが、離職率が低いと反比例して定着率が高くなります。
それはシーソーのような関係で、タクシー運転手の定着率は会社によって80~90%と非常に高い数字を提示しています。

都市部や地方で数字は変わってきますが、お給料や福利厚生の面だけでなくお休みが取りやすい環境だったり、出庫時間の融通が利いたりと女性でも働きやすい環境が整っています。

これを読んでいる皆さんは今の職場が働きやすいですか?居心地はどうでしょう。
20代でも50代、60代でも思い当たるふしがあるなら資格も取れるタクシー運転手にシフトチェンジをしてみませんか?



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