二種免許ってご存知ですか?

二種免許取得は会社が支援してくれる場合が多い

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タクシーやハイヤーなどの旅客自動車を運転するためには二種免許が必要になります
旅客自動車とは、他人の需要に応じて自動車を使用して「有償で旅客を運送」する事業の事で、道路運送法の適用を受けます。

タクシー運転手が、「お金を貰ってお客様を目的地まで送る」ために必要な免許です。

通常はタクシー会社に入社してから、会社が契約している指定自動車教習所に通い、実技試験と学科試験を受験して二種免許を取得します。取得費用は全額会社が負担しますが、どの会社でも「縛り」があるため、その会社を1〜2年以内に退職した場合、日割で教習費用を返納しなければなりません。

二種免許の取得資格は、年齢が満21歳以上で、一種免許の経歴(免許停止期間を除く)が通算3年以上であれば、誰でも受けられます。例えば、新卒の新入社員でも、在学時代に一種免許を取得しておけば、ペーパードライバーであっても二種免許を取得する事が出来ます。

また、二種免許は個人的に取得する事も可能です。独自で学習・練習して免許試験場において「一発受験」する方法です。しかし、合格率は10%程度なので、これはお勧め出来ません。

二種免許を取得するプロセスとは?

まず教習所には、10日前後、直行直帰でほぼ半日、朝から晩まで通う事になります。

やる事は2つで、学科教習と実技教習です。

学科教習は問題用紙を渡され、とにかく解きまくり頭の中に叩き込みます。紛らわしい文章が多いので、慣れるしかありません。

実技教習は所内と、路上に分けてやります。所内ではS字やクランク、縦列駐車などを何度も繰り返して、運転実技を試されます。そして路上に出てからは、安全確認が出来ているか、発進・停車の仕方に問題はないかなど、公道を走るための基本的な能力を確かめられます。

教官は概ね、優しい方が多いです。一昔前の鬼教官的な方はいません。

ただ、基本に忠実でない時は、丁寧ですが厳しく注意されます。プロのタクシー運転手を育成する訳ですから当たり前ですね。

そして教習所での卒業検定(実技検定)に合格した後、免許試験場で学科試験を受けて合格すれば、二種免許の取得となります。本来ならば、試験場で実技試験も受けなければなりませんが、指定自動車教習所を卒業すれば実技免除になります。

しかし、二種免許の学科試験の合格率は、統計によると36.0%(警視庁運転免許統計2014年度、ちなみに一種免許の合格率は69.6%)となっています。

私の記憶に間違いがなければ、私と同じ日に受験した人数が25人位で、合格したのが私を含めて3〜4人だったと思います。結構、難しいものです。

タクシー運転手を目指して二種免許を取ろうという人は、ほとんどが私のように中高年の転職組が多いので、いまさら暗記問題というのは、辛いものがあります。合格するまで頑張るしかありません。

無事、難関を突破して晴れて二種免許を手に入れました。その後に晴れてタクシー運転手となれる場合もありますが、都会の会社だと「地理試験」の合格を条件としているところもあります。

二種免許より難しい?地理試験

タクシー運転手にとって二種免許と同じくらい大事なものに、運転者証(乗務員証)があります。

大都市のタクシー運転手は登録が必要で、登録した者に運転者証が交付されます。
タクシーで営業する場合は、お客様が見やすい場所に掲示することが義務付けられています。運転席の左側にある顔写真や名前などが入ったプレートの事ですね。

この運転者証を手に入れるためには、地理試験に合格しなければなりません

地理試験とは、国土交通省認可の国家資格で、国土交通省から委託を受けた東京タクシーセンターが実施する「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」の事を言います。

東京23区、武蔵野市及び三鷹市でタクシー運転手になるには、この試験に合格することが義務付けられています。

他には大阪府や神奈川県などの大都市にも、この制度が適用されています。

法令と地理があり、特に地理は難易度が相当高いです。詳細は省きますが、主要幹線道路や交差点、高速道路の出入口、著名な建造物など、タクシー運転手として知っておかなければならない、であろうことが網羅されています。マークシート方式で40問中、32問正解(正答率80%)で合格です。

タクシーセンターの発表では、合格率は50%になっています。

会社の研修所にも専任のコーチがいて、「東京大神宮、目白通り、飯田橋の駅」と、呪文のように何度も叩き込まれました。

油断すると一発合格できない可能性もあり、2〜3回受けて、やっと合格する人も少なくありません。

以上、見てきたようにタクシー運転手になるのは、意外に大変な作業です。

しかし、タクシー運転手が「人の生命と財産を預かる者」としては、当たり前のことだと言えるでしょう。

タクシー運転手には、プロとしての自覚、プロとしての運転技量が求められます。そして、その証しが二種免許です。

ですが、すべてのタクシー運転手がそのような高度な意識・使命感を持って、日々タクシーを運転しているのかと問わても、イエスと断言できないところです。
どこかの営業所で毎日のように、違反や事故の報告があります

月イチの研修会で見るドライブレコーダーの「生事故」の映像も、結構衝撃的なものが多々あります。

誰も事故を起こしたくて運転している訳ではありません。しかし、タクシー運転手は二種免許を持つ者として、安全かつ正確な運転が求められていると思います。

蛇足を少々。二種免許とは直接関係がありませんが、タクシー運転手は普通救命講習を全員が受講し、心肺蘇生のやり方やAED(自動体外式除細動器)の使い方なども覚えます。

タクシー運転手として、責任感を持って気を付けて運転していても、体調不良や判断ミスにより、事故やトラブルを起こすことがある職業だということを覚えておきましょう。

タクシーはただ運転するだけではない

免許が必要な仕事

タクシー運転手は側から見ると、A地点からB地点へお客様を乗せて、ただ移動しているだけにしか見えないでしょう。

しかし、タクシー運転手になる為には、いくつかのクリアしていかなければならない、という事がご理解頂けたでしょうか?

取得するまでそこまで時間や体力を要する難易度の試験はありませんので、まじめに取り組めばだいたいの人が受かる免許です。

運転が得意ではない人は実技に苦労するなどはあるかもしれませんが、練習すれば運転は誰でもうまくなるものです。

運転技術、ある程度のコミュニケーション能力、地理知識があればタクシー運転手として最低限問題なく働くことが可能なので未経験でも始めやすい職業ではないでしょうか?

転職を考えている方は、ぜひタクシー運転手という職業を検討してみてください。



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