「タクシー業界は人手不足と聞くけど、実際どうなのか?」
と、疑問に感じたことはありませんか。

本当に人材が不足しているなら、何か理由はあるに違いない!とあなたは不信感を抱いているでしょう。

この記事は、実際に都内のタクシードライバー経験者だったライターが、タクシー業界の人手不足の真実について書きました。最後まで読むと。人手不足の原因がわかり、業界が打ち出している画期的な対策も理解できます。ぜひ最後までお読みください。

タクシー業界は本当に人手不足なのか?

タクシー

まずは本当に、タクシー業界は人手不足なのか解説します。人手不足の背景には、なにか理由があるでしょう。

もし自分が転職を検討しているなら、その背景も理解したうえで転職したいもの。タクシー業界はどのような変化があったのか、ここで覚えておきましょう。

10年間でおよそ800近くのタクシー事業者数が減少

全国ハイヤー・タクシー連合会が発表した全国のタクシー事業者と車両の数によると、最近の10年間で急激に減っていることがわかりました。

平成18年には法人タクシー事業者は6,975社だったのに対し、平成28年には6,231社でした。なんと744社も減っています。事業所が減ったことに比例して車両数も減少し、同じ10年間で33,730台も減台しました。

縮小の原因は様々あるでしょう、今後もタクシー業界全体は規模の縮小が推測されます。今からタクシー業界へ転職すると考えると、あまり小規模な会社は避けたほうが無難かもしれません。しっかりと稼げる仕組みをもった、信頼ある会社にするべきです。

タクシー
(引用:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会

運転者数は2010年以降から急激な減少傾向にある

タクシー事業者の減少にあわせて、タクシードライバーの数も減少しています。
平成21年度には約38万人いた法人ドライバーは、平成28年には約29万人となり9万人も減少しました。

この数字は法人ドライバーなので、キャリアを重ねて個人ドライバーに転身した方もいるでしょう。9万人のドライバーが全員辞めた、という訳ではありません。しかし業界全体の動きからみても、縮小していると感じざるを得ません。

タクシー

(引用:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会

女性タクシー乗務員が活躍を見せている

一方で、女性ドライバーは緩やかながら増加傾向にあります。女性の優しいソフトな対応がお客さんからも好評です。

業界としても、女性が働きやすいように時短勤務を導入したり、社内の設備を強化しております。女性ドライバーにはひとり1台、自分の担当車を与え、しかも好きなシフトを自由に組めるように待遇を厚くしている会社もあります。

女性が活躍する業界は伸びるので、今後も女性ドライバーの活躍に期待したいです。

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(引用:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会

タクシー業界が人手不足となっている原因

業界は縮小傾向なのに、人手不足とは理由が気になりませんか。タクシーを利用する人が減ったのか、タクシードライバーという職業は、それほど環境が悪いのか。その理由次第で、今後の転職者の数にも影響はあるでしょう。業界の今後に関する重要な部分です、しっかりと読み進めてください。

・【理由①】外国人観光客の増加
・【理由②】運転手の高齢化
・【理由③】平均給与の低さ
・【理由④】悪いイメージをもたれがち

【理由①】外国人観光客の増加

実はタクシー業界は需要が増えており、その理由は訪日外国人の増加です。
日本政府観光局が公表している訪日外客数によると、外国人旅行者数は2011年の約622万人から2016年には約2,400万人と約3.8倍になりました。

今後も観光立国としてさらにタクシーの需要は増えていくでしょう。

※2021年4月現在、コロナ禍の影響により訪日外国人は減少しています。しかしこの状況は、今後も継続するわけではありません。コロナ問題が解決したら、元の状況に戻るので、人手不足は続くと思われます。

【理由②】運転手の高齢化

2つ目の理由は、ドライバーの高齢化が問題となっています。高齢ドライバーが増えると、隔日勤務や夜勤という体力的にキツいシフトは敬遠され、出勤日数も減るためです。

平成29年度のタクシードライバーの平均年齢は、59.4歳だと厚生労働省から発表されています。退職された数の新規転職者を確保できていないため、人手不足が加速してしまいました。業界としても、この問題を重く捉えており、労働環境の改善や賃金の見直しを図っています。しかし、現在でも人手不足は続いたままです。

【理由③】平均給与の低さ

3つ目の理由は、平均給与の低さにあります。やはり給料が厳しいと、退職者は出てしまう原因になるでしょう。

平成29年度のタクシー年間賃金の水準は333.29万円でした。全産業からみても大きく差をつけられています。もちろん平均なので、私がいた会社では、全産業よりも大きく稼いでいるドライバーはたくさんいました。しかし、全体の平均を取るとこの数字になっているのは現実です。

一方で給料に関しては、明るい話題もあります。実は給料は上昇傾向であり、平成22年から計算すると、なんと50万円近く上昇しているのです。人手不足ですが、需要の高さは変わりませんので、その分稼ぎやすくなってきているのでしょう。このままタクシー需要は増加すれば、賃金も平均並みになると推測されます。

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(引用:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会

 

【理由④】悪いイメージをもたれがち

最後の理由は、タクシードライバーに対して悪いイメージを持つ人が一定数いることです。「運転手」という召使い的な存在であったり、「誰にでもなれる」というイメージが実はあなたにもありませんか?

実際に私も、同じような暴言を吐かれたり態度を取られたりした経験はあります。公共交通機関の中でも、なぜかタクシー業界は見下される傾向があり、業界としてもイメージを覆そうと改善に努めています。

しかし、良くない印象を持っている方はまだ根強くいます。実際のところ、タクシー業界は決してブラックではありません。むしろ社会的必要性が高く、コロナ禍でも活躍しているニュースを耳にしませんか。悪いイメージを持つ必要はまったくありません。

タクシー業界が行っている対策

それでもタクシー業界への転職は、不安になります。実際に私も同じでした。不安にさせるニュースがたくさん飛び込んでくるので、転職を諦めようともしました。

しかし、実際は違います。業界として明るい話題はたくさんあります。次はその中の一例を紹介しましょう。

過去に二種免許の取得条件の緩和を検討

タクシーに必要な、二種免許の取得条件が緩和される動きがあります。緩和されると、若い世代が取得できるようになるので、高齢化問題の解消になると期待されています。

具体的には、現在の取得条件である「第一種免許取得から3年以上が経過している」「2年」へと短縮する動きです。1年以上も短縮されると、期待できるのは新卒者採用が増えるでしょう。

在学中に運転免許を取得した大学生は、卒業時点で取得条件から対象外である学生もいました。条件が緩和されると、今以上に新卒者が増えるでしょう。

AI活用で使用しやすいシステム提供

タクシー業界にもAI技術が活用され始めています。国土交通省は全国のバスやタクシーと「Maas」事業者の連携を強化しているのです。

・「MaaS」とは?
MaaS(マース)とはモビリティ・アズ・ア・サービスの略です。直訳すると「サービスとしてのモビリティ」という意味で、情報通信技術を活用してマイカー以外の移動をつなぐという発想です。

現在の各公共交通機関は、それぞれのサービスで個別に路線検索、予約、料金支払いを行っています。そこで「Maas」が導入されると、1つのアプリですべての交通サービスが検索され、支払いもできる状態を目指しています。

移動するユーザーのサービスを全て提供する定義なので、アプリを使った配車はもちろんのこと、乗り合いサービスや他の交通機関の連携など新しいサービスが誕生します。タクシー業界でも、今までタクシーに乗らないターゲットにも需要があるとして、期待されています。

日本交通×DeNA の配車アプリ

タクシー配車アプリも導入は加速しています。アプリで代表的なのは、タクシー業界最大手の日本交通とDeNAが提携した配車アプリ、MOV(モブ)です。

MOVは全国のタクシーの半分にあたる、およそ10万台を呼ぶことができるので、素早く空車タクシーを見つけられるでしょう。アプリ配車時に目的地の設定や、料金登録もできるので、乗車時にはスムーズに目的地へ送ってくれるでしょう。

近年のアプリはサービス合戦が激しいので、お得なクーポンのおかげでユーザーが増えています。クーポンがあるから乗ってみよう、という新規ユーザーの獲得に成功しています。

タクシーの需要がゼロになることはない

タクシー

タクシー業界の人手不足の背景と原因について書きました。業界が縮小されている、と聞くと不安になる気持ちになるでしょう。

しかし、タクシーは交通機関として決してなくななることはありません。

人手が足りない現状だからこそ、大きく/em>稼げるチャンスは無限に広がっているのは事実です。ぜひ腕一本で稼げる未来に向かって、タクシーへの転職を検討してみませんか。タクシーに関することは遠慮なく、P-CHAN TAXI にご相談ください。



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