1.飛鳥交通グループの紹介と仕組みについて

神奈川・埼玉でNO1のタクシーブランド

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~!!」

3年前の夏、私たちは驚きしばらくはタクシードライバー同士の話題はそれ事ばかりという業界のビックニュースがありました。

東京無線の主要加盟社・飛鳥交通が日本交通グループに加盟
(2016年10月28日付け日本交通HPに掲載されたプレスリリース)

この事実を知らされた私たち(=日本交通グループのタクシー運転手)は、余りの衝撃に言葉も出ませんでしたねぇ。
もぅガチの東京無線加盟社。東無の創業メンバーとしても知られていた飛鳥が「桜にN」の行灯を掲げる…第二次東日本大震災が起きるのでは(怖)

ってうわさが、ウチの社内で流れたくらいです。
日交関係者の私ですらこんな騒ぎ様ですから、東京のタクシー業界関係者の間の騒ぎはもう大変。

「東京無線は、もう死んでいる」
「次は、〇〇と〇〇が、日交かkmと組むらしい」
なんてガセネタが飛び交いました。

それ程ギョーカイにネタを提供した飛鳥交通と言うタクシー会社は、一体どんな会社なのでしょうか?

飛鳥交通の創業の地は、な・何と、東京の中野。(大和自動車も昭和14年中野で創業でしたね)

1949(昭和24)年、ウカワ自動車と言う名でタクシー会社を創業しました。その3年後、これまた何と、横浜の井土ヶ谷に営業所を誕生させます(結構この時期から、ブッ飛び話題を提供していたのねぇ)。

そして1955(昭和30)年、ウカワ自動車は…「京王交通株式会社

に社名を変更します。えっ、ちょちょちょっと…待ってくださいよぉ?
いきなり、京王(帝都)タクシーグループの話ぃ?

と混同してしまう話ですが、ここで断っておきます。
京王交通≒京王帝都電鉄グループなのです(この顛末は、この後のお話で)。

とにもかくにも、その後「京王交通」はスクスクと育って行きます。そして1961(昭和36)年、東京無線の前身となる「東京城西旅客自動車協同組合」に加盟するのです。時の「京王交通」は、主要加盟社の一社として迎えられたと言い、後の東京無線の屋台骨を支えることになります。

1970~1990年代に掛け、「京王交通」は拡大の一途を辿り、中堅独立社だけでなく、チェッカー無線加盟社すら合併。事業エリアも、東京・神奈川に加え、埼玉・千葉と一都三県に拡大。一説には、当時経営危機に陥っていた日本交通を、「京王交通」が買収するのではないか?という噂まで流れたそうです(今はその逆になっちゃけど)。

その「京王交通」に転機がおとずれたのは、2000(平成12)年。
「京王」という商標を巡って、かの京王帝都電鉄から「京王交通の商標使用取り消し」を訴えられるのです。

京王帝都=勝手にウチの商標使うな!
京王交通=ウチは「京王交通」。「京王帝都」とは違う!
と互いの主張が激突するも、2001(平成13)年、「京王交通」は… 敗訴

の憂き目に遭います。そこで「京王交通」は同年… 飛鳥(ASKA)交通株式会社
と名前を改めるのです。ここに、現在の飛鳥交通が誕生するのです。

2回の社名変更をへて誕生した飛鳥交通

その後の飛鳥は、正に「飛ぶ鳥(飛鳥)を落とす勢い」!

特に2014~2015年に掛けては、埼玉県や神奈川県の中小事業者を、次々傘下に収めました。今や「神奈川・埼玉でのNo1タクシーブランドとなりつつある」とまで言われる程に成長しています。

現在の飛鳥交通の体制は、日交傘下の都内事業所を含め、直系事業所が一都三県で35か所。業務提携会社が4社6事業所。その他関連会社として、ハイヤー事業会社(東京リムジン)やバス会社(東京パッセンジャーズ)・LPGガススタンド(飛鳥ガス)や自動車教習所(飛鳥ドライビングスクール)があります。

2.飛鳥交通グループの乗務員・求人動向について

福利厚生充実しているらしい?

単身者向け社員寮は有名。ホテルみたい!

これほどタクシー事業所がある飛鳥ですから、いちいち各事業所が募集サイトを開くのは不効率の様で、飛鳥ではHPに乗務員募集サイトを集約しています。

例えば「埼玉エリアの飛鳥で働きたい」となると、HPの募集サイトで「埼玉エリア事業会社」を探し出せ、そこから応募する事が可能です。
今はどの事業所で働きたいかイメージが湧かなくても、とりあえず募集サイトで応募すれば、自宅に近い事業所から連絡が来るシステムも取っておられるようです。

採用後は、「飛鳥グループの虎の穴」と言われる「飛鳥ドライビングスクール」へ送り込まれ、元乗務員の教官から「巨人の星も真っ青?」の特訓を受け、驚異の速さで二種免許を取得。後は各事業所毎の教育へと移ります。因みに飛鳥では、エリア別に各社が集まって「営収向上勉強会」「事故違反防止研修会」を行っていますので、所属外の各社で、顔なじみが出来ると言われています。

給与・厚生体制ですが、給与ベースはエリアによって大きく変わります。一都三県内の飛鳥各社では、新人の給与保証額や給与内の「残業手当」「深夜手当」等の攻勢も異なっていますので、入社時の面接の中で詳しく尋ねる必要があります。

ただどの事業所でも、社会保険・厚生年金などは完備。クラブ&レクリエーション活動も活発だそうで、結構充実したタクドラライフが送れそうです。

3.ここだけ!「飛鳥交通グループって、どうよ?」

元飛鳥交通のお偉いさんにインタビューしちゃった!

さて…飛鳥さんの詳しい話を書こうと、知人を当たってみたのですが…こんな時に限って居ない(涙)
て羽目になったのです。いやぁ~(焦)、こうなりゃどっかでタバコ吸っている飛鳥の乗務員に突撃インタビューするか?と覚悟を決めていたところ知人の伝手から

「元飛鳥の偉いさんが『素性を出さず&写真NG&インタビューを録音しない』なら、ぶっちゃけ話しをしても良いよ。」

と降られてきました。もう、こうなりゃ後がない!早速行ってみましょう!!

堀瑞

「都内の事業所が日交傘下になって一年経ちますが、反応はどう聞いておられますか?」

元飛鳥のお偉いさん

「おおむね良好だね。営収も順調に増えているし、何より「桜にN」の行灯やマークほど最高の営業ツールはないね。」

堀瑞

「ところで今日一番最初にお聞きしたかったのは、何故東京無線の創業メンバーと言われた飛鳥が、日交傘下になったか?その経緯何ですがお聞きしている範囲で教えて頂ければと…」

元飛鳥のお偉いさん

「そもそもの始まりは、東京ハイヤー・タクシー協会(東タク協)の副会長にウチの川野(川野繁・飛鳥交通㈱社長)が居た事からかもしれません。

ご存知の通り、東タク協の会長はお宅の川鍋さん(日本交通グループ・ 川鍋会長)なので、二人の間で色々話して意気投合したんじゃないでしょうか?

ただその前段で、大和自動車の東京無線買収問題が影響しなかったのかと言えば、多分に影響はあったかもしれません。確かに大和の行灯に興味がなかったわけじゃありませんが、事の経緯が経緯だけに、その後私たちがどう見られるかっていう点には、正直危惧しましたね。」

堀瑞

「飛鳥さんは、埼玉・神奈川・千葉で事業を拡大させていますが、その背景とは何ですか?」

元飛鳥のお偉いさん

「いわゆる「四社事業」の地方版を、ウチが音頭取ってやろうかと。戦時   中東京でやったタクシー事業集約が、今の四社となってブランド化した。なら、中小が犇めき合って疲弊している地方タクシーの集約化を、飛鳥が中心にやろう!と言う事でやっている訳です。

その事で、サービスの充実・効率的な無線配車・コストの低下が図れば、タクシー事業はまだまだ伸びる。ライドシェアなんて怖くありません。」

堀瑞

「地方には、それぞれ有力なタクシー会社が居ますが、その企業との連携は何か考えておられますか。」

元飛鳥のお偉いさん

「そうですね。神奈川だと三和さん(三和交通)が居るけど、具体的な話はないが情報交換はやっています。日交傘下で三多摩で展開しているキャピトルモーターさんとは、ウチの三多摩のカンツリー(飛鳥カンツリー交通)などとの連携が出来ないか模索していますね。

埼玉・千葉はちょっと難しいかな。埼玉だと埼玉交通さんや大宮さん(大宮・三矢交通)とは企業文化が違うし、千葉では京成グループタクシーの影響力は凄い。京成繋がりで帝都の影響力もあるから。

とにかく今は時間を掛けて飛鳥ブランドを浸透させることが最優先だね。」

新しいことにどんどん挑戦する企業

堀瑞さん

「他のタクシー会社と比較して『飛鳥のここが売り!』と言うポイントがあれば教えていただけますか?」

元飛鳥のお偉いさん

「ウチは本当に『成長にどん欲な会社』と言えるでしょう。

去年ドローンのシステムを運営する会社を買収したと聞いて「一体何するんだ?」って聞いたら、インバウンドの旅行者向けに、宿泊施設や地域の観光案内を作ってタクシーの中で流し、そこから予約してくれると手数料が貰えないかて仕組みを作ろうとしている。まぁ変わったこと考えるもんだな。

でも、少しでもタクシーが成長出来る様なことがあれば、どんなことだってどんどんチャレンジして行くし、やり方は自由だと思う。飛鳥と言う会社は、どういうところが一番売りかな。」

チャレンジで言えば、飛鳥では「夢と仕事の両立を応援するドリームプロジェクト」という企画もやっておりました。そこで誕生したのが「美しすぎるタクシー運転手」で有名なアイドル兼タクシー運転手の生田佳那さんでした。

飛鳥自動車交通のまとめ

自由で成長に貪欲な会社のようです

如何でしたか?飛鳥交通グループのタクシー運営や、乗務員採用の事。更には、飛鳥自動車交通本体やグループ社を巡るウワサまで色々お解り頂けたと思います。少しでも、皆さんに飛鳥交通グループの姿を知って頂ければ幸いです。



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今年6年目の乗務員生活を謳歌している現役タクシードライバー。1967(昭和42)年生まれ。2013(平成25)年日本交通系タクシー会社のドライバーとなる。黒タク資格&スリースター(最上級乗務員)資格所有。