地方の現役運転手がきついと感じること

都会と田舎で酔っ払いの程度が違う

酔っ払い

私は現在、大分県でタクシー運転手をしております。よく「タクシーはきつい」と思う方が多いのですが、何がきついのか具体的に分かりませんよね。現役運転手だからこそわかる大変なことをお伝えしたいと思います。

タクシー運転手にとってきついこと1位は酔っ払い対応

地方に限ったことではありませんが、全国のタクシー運転手が「キツイ」と感じるのは酔っ払いを乗車させた場合でしょう。なぜかというと、車の中で嘔吐をするとその日はもう営業ができません。また、泥酔して家に着いたのに起きないかたもいます。

私が勤務しているエリアは田舎で、お客様はベロンベロンになるまで外で飲むことはあまりありません。なぜかというと、田舎で0時になるとタクシー会社も営業終了です。各社夜間も営業しているタクシーはありますが2~3台のため、飲む方は行きも帰りもあらかじめ予約されます。

だから泥酔までするケースは少ないです。

病人、高齢者を乗せる場合は気を使う

日本交通のUDタクシー

個人的に一番苦手なお客様は病人やお年寄りです。介護タクシーなどの特殊な仕事でなくても苦手です。両方ともふらふらしている事があり車内事故に繋がる事が多い為、運転に細心の注意を払い、タクシーが余り揺れないようにします。

もちろん急発信、急停車、急ハンドルなどは一般客でも気を使いますが、こういったお客様は窓やドアなどに頭をぶつける可能性が非常に高く自分達で回避が出来ない事が多いため本気で気をつけます。

またタクシーの乗り降りの際によろけて倒れる事もあります。運転手の責任を問われる可能性もあるため、お乗りになるときから降車後まで気を使います。

地方は救急車を呼ぶべきところをタクシーを呼ぶ方がいる

田舎

他にも調子が悪い人を病院まで送ったり家まで送った後に、数日して実は脳梗塞だったなんてこともあります。もちろんそれは、運転手が悪い訳ではありませんが本来呼ぶべきはタクシーではなく救急車です。

実際、乗車を拒否し救急車を呼ぶ事もあります。タクシー運転手では生命の判断までは出来ませし責任を取れません。

都会では救急車をタクシーの変わりに使うと問題になっているようですね。地方では救急車を呼ぶと近所の人に何か言われると思っている人が多く呼ばない傾向にありタクシーを救急車のように使います。

運転手から見たらかなり迷惑は話です。

観光や介護の同行を求められるのがキツイ

他にも運転以外に観光や介護で同行を希望されるお客様がいます。これは多くの運転手が嫌がります。理由は肉体的にも精神的にもきついからです。観光タクシーであっても多くは車内で待っていた方が楽なのです。

地方は運転手は高齢の方が多く私は現在34才ですが会社の中では最年少です。タクシー運転手の平均年齢は60代を超えている為、長時間の観光で歩く事やお客様のペースで行動するのは大変なのです。

都会や観光地ではガイドもできる観光タクシーもあるようですが、田舎はそこまでありません。目的地まで移動は可能ですが、病院への同行や観光案内をしながらの同行は難しく、どうしてもとお願いされた場合は年齢の比較的若い人で対応しています。

政治家、有名経営者、大学教授などを嫌がる運転手もいる

他にいわゆる「偉い人」「先生」と呼ばれるような方の送迎も嫌がる運転手はいます。有名人、政治家、経営者、大学教授等です。ホリエモンがタクシー運転手の言動をTwitterで投稿して炎上したことがありましたよね。

僕は個人的にはこういうお客様は、タクシーに対して目的地まで安全運転以外に求めてくることがなく楽です。車内で電話や打ち合わせといった仕事をする方もいらっしゃるので、静かな空間を心掛けている程度です。

地方あるある!カーナビに出ない道・地域がある

カーナビの普及によりタクシー運転手は目的地が分からなくても目的地に行く事が簡単になりました。しかし地方のカーナビは詳しく出ない地域が沢山ありピンポイントで目的地につく事が難しい時があります。

例えば、新しい道路ができたとか、途中から私道になっていて地図で道が表示されないとか、山道等です。新しいいショッピングセンターができて田舎だから駐車場が広いのです。お客様は従業員用入口までと言われたのですがどこか分からないことがありました。

目的地をお客様が分かっている場合は聞きながら行きますが、お互い分からず漠然と目的地に向かう場合もあります。お客様はハラハラしますが運転手はもっとハラハラしています。目的地が分からない場合、その道を知らない事が多く緊張している事が多いです。それでも一生懸命、目的地を目指します。

天候に左右されやすい

目的地が分かっても難しい道は沢山あります。山道などにより冬は通行止めになったり、大雨などにより通行禁止になることもあります。また田舎の狭い道なども緊張しながらの運転になります。

遠くすぎる利用が内心嬉しくない田舎のタクシー

他に目的地が凄く遠い事もあります。都会なら遠くまで乗ってくれるお客様がいれば「儲かった!」とうれしいかもしれませんね。都内から成田にいって、成田から都内に行く人が乗る場合もあるでしょう。

しかし、田舎はそうはいきません。帰りはほぼ空車で戻ってくるのですが、燃料は必要です。予約の時点で遠い時は事前に準備をして迎えますが突発的に遠くに行く場合、その場で自分のコンディションとタクシーの燃料や消耗品の事を考え判断します。無理の場合は丁重にお断りをする事もあります。

実際に目的地に付いた後に帰社途中にきつく感じ判断を見誤ったと感じる事は少なくありません。

お客様によっては時間指定がある場合もあり時間帯の交通状況を考えコースを選択する事もあります。仕事や病院、駅や空港の時に多く実情では間に合わない場合もあります。お客様からクレームを頂いたり、料金を貰えなくなる事もあります。

人相手なので面倒な仕事もある

一回の事故で会社が無くなることだってあり得るので責任重大

タクシー運転手はただ車を運転するだけの仕事と思われている人もいますが、人間相手ですし実情は面倒で肉体的にも精神的にもきつい仕事です。また無理をして事故を起こしてしまうと取り返しが付かない事もあります。

路上にいれば常に事故に遭遇する危険はあります。ニュースや新聞沙汰になったたった1度の失敗で会社が無くなる事もありえます。

そう言ったプレッシャーの中で仕事をしているので決して楽な仕事とは言えません。以上がタクシーの仕事の「キツイ」と思われる部分でした。参考になれば幸いです。


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堀 智
大分県の30代タクシードライバー。学生時代に福祉学科を卒業し老人ホームに就職し3年で退社しパチンコ屋、ホテル管理、飲食店など色々な仕事を転々とし28才の時にタクシー会社に就職し現在に至る。