時々、人気のないところでタクシーが止まっているのを見かけますね。
それはさぼっている?と思われがちですが休憩時間として過ごしていることもあります。

タクシー運転手だけではなく継続して働いている人は労働基準法で、休憩時間が決められています。

短時間だと休憩は無いですが、8時間労働では1時間の休憩をとることがどの職場にも基本ルールとしてあります。

この休憩時間はどこでとってもいいですし、職場から離れてもいいと知っていますか?では会社から離れているタクシー運転手はどこで休憩をとるといいのでしょうか。
よくある場所から隠れた穴場まで、ご紹介します。

タクシー運転手休憩の取り方について

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休憩場所はどこ?

ずっと走りっぱなしで、気が付いたら目がしょぼしょぼしたりおなかが空いたりしていませんか?危ないとヒヤリハットを体験する前に休憩を取りましょう。ご飯を食べるなら、買い物ついでに駐車場で休憩をとる方も多いようです。

初めての場所なら休憩場所はベテランドライバーや、営業所の人に聞くのも一つの方法です。無線などで配車の連絡をしているスタッフは、常に地図とにらめっこをしています。ここならこのような施設があり駐車場は大きいとか、路上駐車はこの辺が多いなど、様々な情報を知っています。

・コンビニ・・・コンビニは防犯上の理由もあり、タクシーの休憩や待ち合わせ場所としても利用されています。少しの時間なら広い駐車場の一番端に停めましょう。あくまで他のお客様の出入りを邪魔しないように心がけましょう。

・役所の駐車場・・・役所も広い駐車場が確保されています。なるべく込み合う時間帯を避けて駐車しましょう。出入り口に近いと、客待ちと勘違いされますので一番離れたところを狙いましょう。また時間で有料になる事もあるので、利用時間に注意が必要です。

・商業施設の駐車場・・・郊外の大きなショッピングモールや輸入品中心の業務用スーパーなど、駐車場が広く週末ににぎわうところなら平日はチャンスかもしれません。なるべく奥の隅の方がおすすめです。逆に裏側は、商品の搬入口や従業員の出入り口かもしれないので中止しましょう。

・霊園・・・彼岸やお盆シーズン以外は比較的人がいません。夜間や夏場でも平気と言うドライバーさんにベストです。今はシーズンでも、コロナの影響やお墓参り代行サービスを利用する方がいます。タクシー会社によっては、ドライバーさんが代行サービスの一環で買い物やお墓掃除をするケースもあります。駐車場も広いですし、自販機も見受けられるので利用しやすい穴場ともいえます。

・埠頭や港・・・海の見えるところで休憩をとるのもおすすめです。遠くの景色を見ながら、目の疲れをとったり視力回復をしたりできるので一石二鳥かもしれません。ただベンチでご飯を食べるときにトビやカモメ、カラスなどの鳥類が食べ物をかっさらう公園もあるので看板などの注意書きがあったら外での食事は避けた方が無難です。また鳥や野良犬、野良猫にも決してエサをあげないように気を付けましょう。

休憩はいつとる?

タクシー運転手は一般の会社のように、チャイムが鳴って何時から何時までと休憩時間が決まっているわけではありません。シフトはそれぞれ違うので自分のタイミングで休憩しましょう。疲労がたまってくると危険運転予知ができなくなったり、視野が狭くなったりと弊害が出てきます。お客さんが乗っている時には緊張感で気が付かないかもしれませんが、一人になるとドッと疲れが出てくるかもしれません。

・日勤・夜勤組は8時間労働が多いようです、そのシフトでは休憩時間が1時間と決まっています。
・隔日勤務は16時間から17時間の運転で3時間の休憩時間が必要です。それ以上18時間となると4時間の休憩が必要になります。

タクシー運転手の休憩時間の定義

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そもそもタクシーが動いていない時間はすべて休憩時間なのでは?と勘違いしている方のなんと多い事か。確かに休憩時間にはタクシーは動きません。休憩時間はあくまでも休憩時間で仕事の拘束時間内に含まれています。

一般職の休憩時間のように、その時間はどこでとってもいいことになっています。そのため会社や自宅に帰る方もいます。

タクシーが止まっている時は休憩の他に待機している状態もあります。待機時間とは、会社やコールセンター、配車アプリなどから要請があった場合すぐに動ける状態を言います。
ですので、休憩とは全く意味が異なるのです。ベテランドライバーになると、お客さんが捕まらない時こそ休憩のタイミングと考えて効率よく休む方もいます。あせって流してもイライラするだけで悪循環になります。

3時間以上の休憩は摂り過ぎなのか

隔日勤務は継続して20時間以上の勤務になります。これは拘束時間であり、休憩時間の3時間も含む時間です。勤務にはお休みもローテーションにあり、一カ月262時間以上の勤務は残業扱いになります。それは手当となり、時間外手当、深夜手当とともに会社は使用者に払わなければなりません。

休憩も同じで、休憩時間を短くして仕事をするとお給料が高くなります。それを見越して走る運転手がいましたが、逆に走らなくても同じ給料だったらどうでしょう?勝手に休憩時間を短くすると、基本給が同じなら走った分だけ損ですよね。

でも世の中そううまくはいきません。今はデジタルタコメーターが装備されており、最高速度から走行データ、休憩中までしっかりデータが記録されていて帰庫してからのデータ入力ですべて把握するのでずるいことはできないようになっています。

もし休憩が長くなったら、会社から指摘を受ける可能性も。休憩時間を短くすると、会社が安全運行管理を怠っていると認識されて会社自体に行政から指導が下されるかもしれません。過労防止の観点から、休憩はきちんと取りましょう。

休憩なしは危険!適度な休憩を取り入れましょう

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疲労や過労は、タクシー運転手にとっては大敵。タクシーは公共の乗り物なので、安全にお客さんを目的地まで届けなければならない義務があります。また会社にもドライバーの安全を守る義務があるのです。

疲れて運転してもいいコトはありません。大変危険な状況になります。危険予知がおろそかになり、ブレーキやハンドル操作が遅くなり制動距離が延びる事になります。車はブレーキに遊びがあり、どんなに急いで踏んでもブレーキが効き始めるまでに時間がかかります。

また制動距離は、道路の路面状態によっても違います。雨で道路が濡れると、タイヤは滑ります。タイヤの状態によっても新品のタイヤか何年目のタイヤかで、車が止まるまでの制動距離に差が出ます。

さらに交差点では横断歩道で左折の際、気づきが遅れると内輪差によって自転車や人を巻き込むこともあります。

運転には常に危険が隣り合わせで、どんなベテランのドライバーもハンドルを握ると細かいところまで神経を使って運転しているのです。ですので、休憩をとり疲れを軽減することもドライバーの大切な仕事なのです。

まとめ

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タクシー運転手にとって、休憩をとるのは安全にタクシーを走らせるための時間であって無駄な時間でもさぼっている時間でもありません。

自分の健康管理も兼ねているので、休憩時間に車外に出て体を動かしたり軽い運動をしたりすることも大事です。腰を伸ばすことによって腰痛やヘルニアの予防にもなり、エコノミー症候群も避けることに繋がります。

休憩で食べ過ぎると、消化に時間がかかったり眠たくなったりするので満腹は避けましょう。睡魔が襲ってきたら無理をせずに短時間の仮眠をとるとスッキリします。上手に休憩をとり、心も体も万全の態勢でお客さんを迎えましょう。



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