観光タクシーは資格はいるの?

タクシー会社に就職しても誰でも観光タクシーを任せてもらえるわけじゃない

日の丸交通観光タクシー
日の丸交通HPより

観光タクシー運転手と言う存在は、何か特殊な資格を保有しているのでしょうか?

ハイエースやキャラバンなどの「ジャンボタクシー」で観光業務に従事している運転手を、街中や高速道路で見かけることがありますし、乗用車タイプのタクシーでも観光タクシーとして使用している場合があります。

このような観光タクシーの運転手にはどのような人たちがその運転手になっているのか、気になりますよね。観光タクシー運転手として働きたいと思っている方は、プロ意識が非常に強い方だと思われます。

どのようにすれば観光タクシー運転手として従事できるのか、その資格や認定に関して考えてみたいと思います。

観光タクシー運転手になるためには社内選抜がある

営業車を50台以上保有している大手のタクシー会社には「ジャンボタクシー」と呼ばれる、乗車定員10人以下のバンタイプの営業車を数台保有しています。観光タクシー運転手として勤務したい方は、まずは「ジャンボタクシー」を複数台保有している、大手タクシー会社に就職しなければならないことが前提です。

観光タクシー運転手は「ジャンボタクシー」以外にも乗用車タイプの普通のタクシーでも観光しますので、「ジャンボタクシー」専属ではなく、あくまでも観光タクシー運転手なのです。

では、どのような人たちが観光タクシー運転手になれるのでしょうか。それはずばり「選抜」です。観光タクシー運転手になるためにはペーパー試験などの「資格」ではなく、タクシー運転手の「資質」なのです。では、観光タクシー運転手になるためにはどのような「資質」が必要なのかを考えて行きましょう。

観光タクシー運転手になるためには、社内で選抜されて観光タクシー運転手として指名されます。選抜されるためにはいくつかの条件があります。

観光タクシー運転手に選ばれるための4つの資質

1.接客態度がいいこと

第一に、接客態度が良いことです。タクシー運転手として就職し、まずは普段のタクシー業務から通常勤務をしてから1年も経過すると、その会社の顧客や他の同僚運転手からその運転手の様々な情報が会社に入ります。

お褒めの言葉を頂けるのはまれです。どちらかと言うとマイナスイメージの情報しか入りません。

しかし、そのマイナスの情報がどれだけ少ないかが重要。マイナスの報告が少ない運転手は接客態度が良好と見られるのです。

クレームゼロの運転手などは存在しません。大事なのはクレームがどれだけ少ないかです。

観光業務と言うのは、お客さんと接する時間が通常業務より大幅に長くなります

また、仕事などの日常生活で利用したタクシー運転手が少々態度が悪くても、お客様はそんなに気にしないかもしれません。ですが、観光旅行中の方は非日常のレジャー中ですので、マニュアルで教えられるビジネスライクな接客よりホスピタリティ精神がある人の方が向いています。

長時間一緒にいるお客さんと、うまくコミュニケーションを取りながら輸送することが出来るのか、と言う判断を通常業務時の接客態度で判断されます。

2.事故・違反が少ないこと

第二に、交通事故や車内事故が極めて少ないことです。

事故があっても小さい事故で軽い物損のような事故をたまにしか起こさない、と言うのが理想です。観光業務の場合、1人で県外などの長距離を複数のお客さんを乗車して輸送するのが本来の目的ですので、大きな事故があってはなりません。

慎重な運転手は防げる事故は最小限の被害に抑えることが出来ますが、タクシーの通常業務でたびたび事故を起こしている運転手は、長距離に行けば行くほど事故率が高いです。

観光業務を円滑に実施するためにも事故率の極めて低い運転手が選抜されるのは当然のことと言えるでしょう。

3.地図がすぐ頭に入ること

第三に、ある程度の地理が理解出来ていることです。これに関しましては、長距離トラックの経験者とか県外の道に詳しい、と言うキャリアのお話ではありません。

タクシー通常業務で、会社から指定された配車場所(お客さんが指定したお客さんが待っている場所)に毎回迷わずに行けているかどうかです。

会社は、運転手が初めて行く配車場所へは住宅地図などを示して詳しく説明してくれます。運転手がそれを理解し、迷わずに配車場所へ辿り着くことが出来れば、その運転手は地理を把握していることになります。

県外へ行くにも同じことで、会社から行先を説明されて頭の中で地理が理解出来ていれば、地図やナビを見ながら会社から説明された場所へ辿り着くことは可能です。

普段のタクシー業務の中で配車場所に辿り着けるかどうかで、その運転手が東西南北を理解出来ているかどうかがすぐ分かります。

そう考えれば長距離運転手の経験が有利、と言うことにはなりませんよね。まずは日頃のタクシー業務の中で、配車場所へ辿り着けなかった場合は反省し、住宅地図や道路地図、ナビなどを活用し間違えた場所を自家用車などで再度走って確認するなどの努力が必要です。

4.自分からアピールできているかどうか

第四に、「観光タクシーやりたい」と自己アピールを心掛けることです。

毎日接する運行管理者や会社の上司などとプライベートなことを話す機会を見つけて、観光運転手を希望していることを積極的に意思表示しておくことも大切です。

与えられた担任車のタクシーを常日頃から手入れし、いつもピカピカにしておくことも自己アピールに繋がるでしょうし、乗車されたお客さんを大事にし、お客さんからお褒めの言葉を頂くことも自己アピールに繋がります。

観光運転手と言うのは、模範運転手でなければ選抜されません。通常のタクシー業務で、どれだけ真面目に勤務しているかで決まります。

観光タクシー運転手はエリートコース

入社後1年間は適性をみられていると思いましょう

以上、観光タクシー運転手になるための「資質」について考察してみましたが如何でしょうか。観光タクシー運転手と言う仕事は、売上が通常タクシーとは比べ物にならないほどの金額です。

「ジャンボタクシー」と言うものは運送約款上「特大車」に該当するため、ケースにもよりますが1日の観光業務で5万円ほどの売上になります。

通常のタクシー業務で14時間ほど勤務しても観光業務ほどの売上になることは殆どありません。短い勤務時間で大きく稼げる仕事が観光運転手の大きな利点です。観光運転手の売上に関して、都心では100万円を下ることは無く、地方都市でも70万円~85万円程の売上になります。

もちろん観光業務だけでは無く、通常のタクシー業務と合算した売上金にはなりますが、それでも通常のタクシー業務だけで勤務するよりは遥かに収入面で上回ります。

入社して最低でも1年間は観光運転手としての適性を見られます。入社してその日からいきなり観光運転手として起用されることはまずありません。観光運転手に選抜され起用されれば、よほどのクレームが無い限り観光運転手からは降ろされません。観光運転手はタクシー運転手の中でもエリートだと言えるでしょう。



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地方都市にて夜間専門のタクシードライバーとして勤務するかたわら、タクシー業界の現状について鋭く解説する異色のライター。21歳で二種免許を取得して以来、30数年間旅客自動車ドライバー職に従事する、タクシー業界のカリスマ的存在。