タクシー運転手員になる事の「リスク」あれこれ

タクシー運転手になって「失うモノ」とは

求人、乗務員募集、チェッカー

今はまさに「タクシー乗務員(タクドラ)転職ブーム」真っただ中。

これまで「スポーツ紙」「夕刊紙」にしか掲載されなかったタクドラ募集記事が、今や大手人材会社も専門WEBサイトを立ち上げる程の大盛り上がりです。

「一年間給与保証がある(ホンマかぁ~?)」「社会保険完備」「休みが一杯」などなど…昨今のブラック雇用の問題化を背景に、タクドラ転職ブームは追い風真っただ中です。

しかし…一昔前「タクドラになる」親族や友人と言っただけで、周りから冷たい視線を浴びせられたものでした。「何か社会でやらかした人が行きつく職業」「社会の落伍者」と言うレッテルが否応なしに貼られていたタクシードライバー。

昔と比べ差別は減ったとは言え、今なおタクシードライバーに対する差別意識は、社会に厳然とあります。そこで今回は、タクシードライバーになった事で「失うもの」に焦点を当ててみたいと思います。

今なお社会に根深く残るタクシードライバーの職業差別

タクシー乗務員(タクドラ)の歴史を辿ると、戦前こそ専門職と位置付けられていましたが、戦後数多くのタクシー事業者が参入し、タクシードライバーの奪い合いが進んで行く中、専門性の薄い人材を巻き込むことになります。

昭和40年代中頃までは、反社会的勢力と関係があるタクシー会社も数多く存在し、現役タクドラの半数近くが元塀の内側出身(つまり前科者)と言われ、風呂場に入ると見事な光景が見られたそうです。

今日では、タクシー会社のコンプライアンスもしっかりし、乗務員候補生として応募して来る人の身元照会もしっかりしていますので、「元塀の内側」出身者や見事な彫り物が入った人が入社する確率は殆ど無くなりました。

とは言え、今もタクドラとして応募して来る人のプロフィールを見ると、会社を倒産させた元経営者や自己破産して家族離散の末流れ着いたと言う人も。

そうした事で、今なおタクドラに対して「ロクでもない人間」と言う差別や偏見は、根深く残っているのです。

ヒドイ場合、住宅&マイカーローンの審査を通して貰えないケースや、子供が幼稚園や小学校の入試を受けた際、面接で父親or母親がタクシードライバーと言っただけで不合格になった例も聞かれているくらいです。(他に理由があったかもしれませんが)

健康を犠牲に収入確保に走るタクシー運転手

ところで、私はタクシー運転手になって以降、幾つもの病気を患いました。

高血圧・痛風(高尿酸値症)・そして睡眠時無呼吸症候群(SAS)…月当たりの医療費は馬鹿になりません。

私の周りを見回しても、20~30代の若手を除いて何らかの傷病に罹患している人が殆どです。

他の業種と比べ、一度に行う就労時間が長く、加えて鉄道・航空など他の運輸事業従事者が必ず休憩時間を確保されているのに対し、タクシー運転手は場合によって休憩なしで働けるのです。

当然ながら、病気に罹らない訳がありません。

驚く話をしますが、私が会社に入ってから、既に10名近い先輩が亡くなっています。

亡くなった方の年齢も50代60代と、同年代の他業種の人と比べ余りに若いと言えます。

タクシー運転手はリスクもある

目指す場合はデメリットも覚悟しておきましょう

さて、今回は如何でしたでしょうか?

タクシー運転手になる事が、まるで社会の勝ち組の様に言われる現在、こうしたタクシー運転手になる事のリスクを覆い隠していることを、私は憂慮しています。

それでも、どうしてもドライバーを志望する方は、こうしたリスクを覚悟し、将来に備えておく必要があります。

今回もお読み頂いて、ありがとうございました。


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堀瑞 勤
今年6年目の乗務員生活を謳歌している現役タクシードライバー。1967(昭和42)年生まれ。2013(平成25)年日本交通系タクシー会社のドライバーとなる。黒タク資格&スリースター(最上級乗務員)資格所有。