東京ならタクシーは稼げるって本当なの?

現役ドライバーが東京タクシー乗務員のお財布事情を覗いてみました

求人

私は以前、このコラムで東京のタクシー乗務員(タクドラ)の収入は、全国トップのレベルだとご紹介した事があります。

データがかなり古くて恐縮ですが、現在最新のデータがここまでしか公開されていないので、検証できるのはここまでと言うのが現状なのです。

でも、ズバリ言えることは一つ…

東京のタクシー運転手の給与は、年々確実に上昇している

と言う事なのです。

その裏付けの一つに、いわゆる「保証給」の上昇がそれを裏付けていると言えます。

タクシー用語:保証給

タクシー乗務員としてデビューしたルーキー(新人乗務員)は、いきなり高額な営収を稼ぐことは出来なため、一定期間営業成績に関わらず低額の賃金支給を保証する制度。一般にデビュー3ヶ月間に限って、税込み30~40万円の賃金を保証する制度だが、最近は半年~1年間保証する会社も現れている。

因みに、今の会社に入った頃(2013・平成25年)は、デビューから3ヶ月間で税込み32万円でした。当時は介護関係の仕事をしていて薄給に悩んでいたこともあり、税込み32万と言う給与保証は余りに魅力的でした。

そのわが社(日本交通系列)が、今(2019年)新卒や養成入社(中途)に提示している給与保証は…皆さん幾らだと思いますか??

答えは…3ヶ月間42万円保証!(いいなぁ、オレ会社入り直したぁい)

ちょっとあり得ない話ですよね(汗)。税金を引いても、大体手取りベースで36~37万ベースですから、結構いい生活が出来ますよね(ってか、ヲレが何時も貰っている給与の1年間の平均ジャン…あっ言っちゃった(汗))。

近年の東京タクシー会社の保証給傾向

最近HPで見たのですが、四社の一つ帝都自動車交通では、
1年間35万保証or6ヶ月間40万保証(えっ?)
何てトンデモナイ募集広告が出ていましたね(大汗)。

全てのタクシー会社の保証給が上昇しているわけではない

ただ、これが地方の会社ですと、保証給ベースで3ヶ月限度25~30万(税込み)となり、大半は保証給すら存在しないのが現状…それだけ地方のタクシー経営は良くないと言えるのではないでしょうか?

その一方、話題のエムケイタクシー(本社・京都)の様に、保証給でぬるま湯に浸かっている様にさせず、初めから保証給をわざと低くさせ、ハングリー精神全開で営収を求めさせようとさせている会社もあるのは事実です。

とは言え、近年のタクシー需要数の回復は、その一方で大幅な乗務員不足という歪んだ構図と賃金の高騰を招いていると言えます。

タクシー運転手は自己負担の経費も多い

ただ、東京のタクシーの賃金ベースが高い事は事実なのですが、その分…自分が自腹を切る身銭が多い事も、アタマに入れておく必要があります。

特に東京のタクドラにとって最も頭が痛いのは…帰路高速代は…自腹!て話なのです。例えば、都心から成田空港へ乗客をお送りした際、往路の高速代(2500円ぐらい)は費用としてお客様に請求することが出来ます。

でも…成田から都心へ帰る為の高速代は… ぜ~んぶ自腹(えええ~っ(涙))
て制度が、今も東京の数多くのタクシー会社で制度化されています。よくタクドラ同士の話の中で「成田乞食」何て言葉が出るのは、この事からです。

ただ近年になっては、タクドラ不足解消と福利厚生の一環として、都区外の地域からの高速代を、全額又は一部を負担する制度を取り入れる会社も増えて来ています。

私の会社では、都区外の高速道~首都高接続ポイントまでの高速代は、会社負担と定められています。

例えば…夢の様な宇都宮!へお送りした場合

  • 帰路の高速代は…3,980円(ETC料金)
  • 宇都宮IC~(東北道・首都高接続道)~足立入谷ランプ=会社負担1700円
  • 足立入谷ランプ以降=自腹

となっています。

とは言え、法律で定められている時間ぎりぎりまで都内で営業やった場合、帰りに一般道を走ると帰庫時間に間に合わず、懲戒処分を受けてしまいます。それを回避するために、やむを得ず首都高に乗ってブッ飛ばして帰ってくるケースも、決して少なくありません。

タクシー用語:自腹高速、成田乞食

タクシー運転手の給料が上がっていると言っても自己負担出費も多い。私も月当たり1万円前後の自腹高速を使っていますから、年間で12万経費を使っている訳ですよね。個人タクシーではありませんから、確定申告で経費申請する事は出来ません。

1回乗務で食事2回。食事代の出費も多い

出勤時の食事代も、馬鹿にはなりません。というのもタクシー運転手は拘束時間が長く、1回の勤務で食事が2回あるのです。

いろいろ工夫をして、やりくりしているタクドラ仲間も居ますが、特に夏の最も暑い時期(お盆前後)は弁当を持つ訳にも行きませんから、どうしても外食メインになってしまいます。

都心では、そば屋でもかけそば一杯400円近く取られますから、一出番で約¥1,000の食事代出費。これも年間で20万近くの出費です。

えっ、私はどうだって?
そうねぇ~いつも晩飯は抜いていますよ。大丈夫かって?…まぁ厳しいですけど、必死に耐えて、勤務明けの「一杯」に掛けていますから(笑)。

タクシー会社によっては燃費代や洗車代も自腹だから入社前に要チェック

その他、他社では燃料代も自腹ってところも多いですし、中には帰庫時の洗車を担当する職員に「洗車代」を払って頼んでいるケースもある為、何だかんだ言って年間で40万円近く経費を使っているんじゃないのでしょうか?

そう言った経費が嵩んで、タクシー乗務員は決して儲かる職業とは言えません。

サラリーマン時代には、昼食代&出張費は会社負担が当たり前。タクドラになって最も衝撃的だったのは、この経費の多さってところですかね。そういう点から、個人タクシーへの独立を憧れる法人タクドラが少なくない背景となっているのでしょうかね(でも、個人はもっと厳しいよ)。

東京のタクシー運転手は収入が高くても経費も多い

転職の際は慎重に。すごく儲かる仕事というわけではない

さて、今回もコラム形式で書いてみましたが、参考になりましたでしょうか?

東京のタクドラは、需要数も担当エリアも他区域と比べ物にならないので、給与が多い事に間違いはありません。

しかしその分「身銭を切るケース」も非常に多いことは、お話の通りです。如何に身銭を切らない様に工夫する事が、生活を充実させる決め手かもしれませんね。

今回もお読み頂き、ありがとうございました。


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堀瑞 勤
今年6年目の乗務員生活を謳歌している現役タクシードライバー。1967(昭和42)年生まれ。2013(平成25)年日本交通系タクシー会社のドライバーとなる。黒タク資格&スリースター(最上級乗務員)資格所有。